国分寺市プレイステーション

新しい施設では屋内での遊びも充実
幅広い年齢層が利用できるスペースに

新しいプレイステーションの看板

国分寺市プレイステーション(通称プレステ)が西元町から東戸倉に移転したのはご存知でしょうか?新しいプレステは恋ヶ窪駅から徒歩8分ほど、西武国分寺線の線路沿いにあります。

プレステは1982年に西元町に設立され約30年にわたり地元の人々に親しまれてきました。2020年3月に惜しまれながらその役割を閉じ(以前のプレステの取材記事はこちら)、東戸倉に移転しました。理事の中村裕子さんにお話を伺いました。

新しくなったプレステ内には2階建てのりっぱな建物ができました。2階には親子ひろばBOUKENどんどこがあります。

1階には、事務所、キッチン設備がある談話室、手作りの卓球台や大型積み木がある遊戯室、絵本やボードゲームなどで室内遊びができるスペースがあります。

1階談話室にはIH調理台があり、おやつやごはんを作って食事をすることができます(2020年11月現在、使用は休止中)

1階遊戯室にある卓球台は、プレイリーダーと中学生達の手作り

2階のBOUKENどんどこからの眺め

プレステといえば泥んこの外遊びというイメージが強いですが、新しい施設では好きな時に室内でも遊べるようになりました。「建物内にある親子ひろばのBOUKENどんどこをプレステと分けて考えるのではなく、一体化した施設として小さいお子さんも室内と外遊びを区別なく楽しんで欲しい」」と中村さん。2階から外の様子が見えるので、室内で遊んでいる小さい子も外へと誘われそうです。

1階の漫画や絵本のあるスペースでは小さいお子さんも遊べるようにおもちゃがあり、事務室に声をかければボードゲーム等がかりられます

プレステが公園と異なる特徴は、常にプレイリーダーと呼ばれる大人がいることです。プレイリーダーは、子どもたちの自由な遊びを見守り、必要であれば手を貸してくれる心強い存在です。また、ここにはやりたい遊びを自由にやれるよう必要な道具がそろっています。泥遊び、穴掘り、工作、基地づくり、火おこし等やりたいことにチャレンジできます。もちろんこんなものが作りたい!と相談すれば、プレイリーダーが実現できるよう一緒に考えてくれます。

広く見やすくなった道具倉庫

火おこしコーナーでは火を使用して焼き芋などのおやつ作りなどができます(2020年12月の時点で飲食ができないため、七輪で焼きビー玉や火おこしを中心に行っています)

どうしても大きいシャベルを使いたい利用者のお子さんに、声をかけ、見守るプレイリーダー

以前は歩けるようになってから遊びに行くという印象が強かったプレステ。室内の遊び場があるので0才から利用することができ、小さい子も遊びやすくなりました。

「小学生は6小地域の子が多いですが、10小や9小、元の地域の4小学区等遠方からも頑張って通ってくる子もいて市内の子ども達の利用も広がりました。夏休みに2階の部屋を中学生向け自習室に開放したこともあり、中学生の利用も増えました」と中村さん。

一階のお部屋の近くには、小さい子が遊びやすいようなおままごとコーナーが作られている

利用者の年齢の幅が広がって思いもかけない遊び方に驚くこともあるそうです。また小学生が小さい子の面倒を見てくれるなど、異年齢の子ども達が同じ空間で交流している姿も多くなりました。そのためプレイリーダーたちも試行錯誤しながら遊び場の在り方を考えているとのことです。

「ここは、0から18才までの遊び場なので、年齢に関わらず居心地のいい場所として気軽に来てほしい。これから寒くなりますが、室内は冷暖房が完備されているので、寒くなったら中へ、お天気のいい日はひだまりで外遊びと利用してほしい。電車も横に通るので、電車好きにもおすすめですよ」と中村さん。

子ども達とプレイリーダーが相談しながら滑り台とクライミングウォール作成中(取材時)
これからも大型遊具が増えていきそうです

プレイリーダーは子育て経験者のベテランから新人まで様々ですが、お子さんと一緒に子連れスタッフとして仕事をしている人もいます。プレイリーダーのお子さんが遊ぶ様子に周りのお子さんが引き付けられて遊びが広がることもありいい刺激になったり、おんぶしながらのプレイリーダーには室内をまかせてみたりと、子育て中ならではの働き方を工夫しているとのこと。施設が広くなったためボランティアやプレイリーダーを随時募集しているそうなので興味がある方は冒険遊び場の会へ問い合わせてみてください。

左奥は土を盛った山、右奥は建築中の秘密基地
手前の作業台右横は子ども達が野菜を育てている畑

今後の展望として、「中高生向けの居場所としてカフェスペース(自習やおしゃべりのできる場所)を充実させたり、夜の時間帯に焚火をかこんで過ごしたりするイベントもできるのではと夢は広がります。また離れてしまった西元町地域でぼうけんもりの活動※を広げて、第二のプレイステーションをいつか作りたい」とのことでした。

※毎週木曜日に武蔵国分寺公園こもれび広場、西元北西口付近でプレイリーダーが遊びの出前を行っている。

私もお世話になった、自主保育グループ※の活動も再開しています。いつも同じ場所で同じメンバーで遊べるのは、安心して子育てをする支えとなりました。兄弟のいる先輩ママの幼稚園の話をきいたり、子育てのちょっとした悩みをお互いに話すのはとても参考になりました。ぜひ足を運んでのぞいてみて下さい。

※現在活動中の自主保育グループ
(2020年11月現在、コロナ禍のため活動が変更になる可能性があります)
ぐるんぱ 毎週水曜日 13時半頃から
ハンティントン 毎週木曜日10時頃から

なんと温水シャワーが!!
足を洗って、すのこの上を歩いて室内へ入れます

取材に伺った時に建物があまりに綺麗なので、これがプレステ??と思ってしまいましたが、建物の外には昔と変わらない子どもの遊びを思い起こさせる遊具や工作の跡がありました。子どもが未就学児だった頃に小学生のお兄さん達がたくましく、大胆に遊ぶ姿を息子達が憧れをもって見ていたので、いつか同じ様に遊んで欲しいと思ったことを思い出しました。異年齢が遊ぶ姿を見る機会が少なくなった現在、プレステが貴重な遊び場としてこれからも発展し、地域に根差した場所になって欲しいと思います。

 

中村さんのぶんハピ 国分寺歴  生まれも育ちも国分寺というアラ還

中村裕子さん

真姿の池・七重の塔周辺

手つかずの昔と変わらない自然の風景が好き。

七重の塔の裏道周辺にはお気に入りのおつまみを持って毎年花見に行きます。

 

取材:ぶんハピリポーター

 

施設情報

プレイステーション

住所:国分寺市東戸倉 2-28-4

TEL:042-323-8550

開場日時:火曜〜土曜  第2・4日曜

10:00〜17:00

※現在はコロナの影響で、人数制限有。

BOUKENどんどこ15人を含めプレステ全体で120人。

●チェックポイント
 おむつがえ  

*幼児用トイレ、誰でもトイレ、駐輪場あり、駐車場無し(近くにコインパーキングあり)

BOUKEN どんどこ

新しい国分寺市プレイステーションにできた
外遊びもできる親子ひろば

戸倉通りから見えるプレイステーションの建物

国分寺市プレイステーションが西元町から東戸倉に移転しました。新しいプレイステーションには、2階建ての建物が あります。この建物の2階に親子ひろばBOUKEN どんどこができました。親子ひろばとは、主に0歳~3歳の子どもと保護者が来て、遊ぶ、他の利用者とおしゃべりする、地域の情報を得る、子育ての悩みを相談する、などができるところです。

BOUKEN どんどこは、国分寺市からの委託を受けて、認定 NPO 法人冒険遊び場の会が運営しています。 「プレイステーションは外遊びを主とする場所なので、今まではお子さんが歩けるようになってから遊びに来る人がほとんどでした。新しいプレイステーションは親子ひろばが併設されたので、生後1か月から利用可能です」と、BOUKEN どんどこ責任者の塩原真有美さん。

階段上って正面が BOUKEN どんどこ

中央のシンボルツリーは、子ども達がぶつかっても大丈夫なように柱に緩衝材を巻いてスタッフが作成

スタッフ手作りの段ボール製電車

おままごと用テーブルと椅子も手作り

窓から見える西武線。子どもが手を振ると運 転手さんが手を振ってくれることも

BOUKEN どんどこは、広いスペースがあるので、およそ6か月未満のねんねの赤ちゃんが過ごせるコーナーのほかに、室内でも体をつかって遊べるすべり台、大型積み木、段ボール製電車などがあります。スタッフ手作りの物が多く、温かい雰囲気です。

また建物が 西武線の横に位置しているため、窓から電車がよく見えるので電車好きのお子さんには絶好のスポットです。一番の魅力は、お子さんが親子ひろばでエネルギーを発散しきれなかったり、室内に飽きてしまったら階段を降りてすぐ外に遊びに行くことができること。これはプレイステーションに併設された親子ひろばだからできることです。

「BOUKEN どんどこを、地域の友達づくりに利用してほしいです。BOUKEN どんどこの隣にある『ふれあい』の部屋が活用されるなど、育児サークル等の活動も広がっていくと良いなと考えています」と塩原さん。

BOUKEN どんどこのスタッフは、全員子育て経験者。利用者の方々からは、「明るい人が多い」「話しやすい人が多い」と言われているそう。スタッフにはカウンセラー、助産師、管理栄養士もいて、ママ達との何気ない 会話から悩み事の相談になったりもするそうです。同じ建物内に相談室があるので個別に相談することも可能です。

OPENして1年目なので、まだ地域のイベント等には参加していませんが、これから、地域の様々な活動に参加したいとのこと。来年度はプレステまつりも行う予定だそうです。

塩原さんより「新型コロナウイルス感染症対策のため、今は、時間制限と人数制限があり、 食事はできず、ご不便をおかけしています。どなたでも気軽に遊びに来てください。2 階のBOUKEN どんどこでも、1 階の部屋でも、外でも遊べます。動きやすい服装で来ることをお勧します」とのことです。(2020 年 10 月現在)

 

塩原さんのぶんハピ 国分寺歴40年以上

ひろば責任者の塩原真有美さん

花沢橋近くの線路沿い遊歩道

電車好きの息子とベンチに座ってお団子を食べながら、よく電車を眺めました。息子が幼かった頃の良い思い出の場所です。

 

取材:ぶんハピリポーター

 

 

 

 

子連れのぶんハピポイント

幼児用のトイレや立ったままオムツ替えができるコーナーがあります。

おむつ替えコーナー 緑扉奥は幼児トイレ

トイレ前のピンクのマットは立ったままオムツが替えられるコーナー

授乳室と保温ポットがある調乳室も

右奥が授乳室、カーテンやドアを閉めて利用できます

 

基本情報

BOUKEN どんどこ

住所:国分寺市東戸倉 2-28-4

TEL:042-323-8550

開場日時:火曜日~土曜日(月・日・祝日は休み)

10:30~12:30  14:30~16:30

※2020年10月現在、親子、スタッフあわせて18名まで入室可能(6か月未満児は人数に入れない)新型コロナウイルス感染症の状況によって変更する場合があります。ご利用前にホ ームページをご確認ください。

ホームページ:www.boukenasobibanokai.or.jp

●チェックポイント
 おむつがえ  

*幼児用トイレ、駐輪場あり、駐車場無し(近くにコインパーキングあり)

第6回 多田純子さん  (ぶんぶんうぉーく・てのわ市事務局スタッフ、グラフィックデザイナー)

今回は、国分寺を歩いて街の魅力を発見するイベントとして「ぶんぶんうぉーく」の事務局&総合パンフレットの制作などを担当する、多田純子さんに登場して頂きます。今年で10回目となるぶんぶんうぉーく。私たち「ぶんハピねっと」も初年度から関わらせていただいているイベントです。多田さんが関わってきた地域活動の、これまでとこれからをじっくり伺いました。

多田純子さんのプロフィール

宮崎県出身 武蔵野美術短期大学入学と同時に上京。卒業後、企画デザイン会社などでグラフィックデザイナーやアートディレクターとして働く。2004年に結婚。以後、フリーのグラフィックデザイナーとして活動を始める。2008年より「国分寺モリタテ会」に参加。『ぶらぶらマップ2号』の制作スタッフとして地域デビュー。2011年から「ギャラリーうぉーく」、「ぶんぶんうぉーく」の実行委員、事務局、さらにパンフレット制作にも携わる。2018年からは、多摩・武蔵野エリアで活躍するクラフト作家や店舗を迎えたイベント「てのわ市」や「てのわ夜市」などを立ち上げ、「てのわ部」運営メンバーとして活動中。

国分寺市在住。


地元を知る&ぶらぶらマップで地域デビュー

阿多 ご出身は宮崎県とのことですが、国分寺との関わりは大学に入学して上京されてからですか?

多田さん(以下呼称省略) そうですね。18歳で上京して、最初の下宿先が国分寺の東元町だったんですよ。翌年、大学の友人達と一緒に1年間小平に住んで、卒業後は、就職を機に通勤に便利(笑)という理由で国分寺に戻りました。まだ、国分寺に特快が停まらなかった時代ですけどね。(国分寺に特快が停まるようになったのは1989年から)それ以来、ずっと国分寺に住んでいるんですが、仕事に行って帰る場所というだけで地域のことは全く知らずに暮らしてました。

阿多 そんな多田さんが、地域活動に参加するきっかけは何だったのですか?

多田 長く国分寺に住んでいるのに地域のことは全く知らないという生活に、これでいいのかなと思い、結婚後「仕事を辞めても続けてもどちらでもいいよ」とだんなさんが言ってくれたこともあって、生活者として地元で地に足のついた生活をしようと会社員を辞め、しばらく家にいることしました。そんなとき、マンションの役員の方から声をかけられ、マンション内のレクリエーション委員会(※1)を手伝うようになったんです。今思えばこのマンションに住んだことも地域を知るきっかけですね。

※1:現在の名称は、コミュニティー委員会

阿多 マンション内のレクリエーション委員会って、あまり聞いたことがありませんね。

多田 国分寺で一番歴史のあるマンションだったためか、マンション内のコミュニティがとてもしっかりしていたんですよ。年に4回ほど『マンション便り』が発行されたり、以前は月1回の街歩きの会があったり、旅行があったりしたそうです。現在は、月1回『日曜喫茶』と題した茶話会やマンションの集会室での『飲み会』、夏は、納涼祭というバーベキュー大会、忘年会、新年会などがあります。

ぶらぶらマップ第1号(手前)とVol,1〜4

阿多 今もかなり充実してますね。現在のマンションに住まれたことが、地域活動の大きなキーになっていますね。そして、『ぶらぶらマップ』の参加が地域活動デビューとなって、現在の活動に続いていくんですね。

多田 そうなんですよ。たまたま、知り合いから「友人が絵を描ける人を探している」と声がかかり、よくわからないままミーティングに参加し、気付いたら「国分寺モリタテ会」(※2)のメンバーになっていました。

ちょうどこれから『ぶらぶらマップ2号』を作ろうとしている時で、保坂さんご夫婦、奥田さん(当時新聞販売店勤務)、野口さん(2010年まで発行の地域情報誌『武蔵野から』発行人)が初期のメンバーでした。

※2:「国分寺モリタテ会

1級建築士で、ギャラリーウノビックのオーナーである保坂さんが立ち上げた会。地域の魅力を伝える『ぶらぶらマップ』(Vol.1~4)を作成している。国分寺の紀伊國屋書店、文具店の山水堂、おたカフェなどで販売中。

 

ギャラリーうぉーく、ぶんぶんうぉーくへの参加

阿多 『ぶらぶらマップ』に参加した後、「ギャラリーうぉーく」(※3)や「ぶんぶんうぉーく」(以下「ぶんぶん」と表記)の立ち上げから関わっていらっしゃいますね。それぞれが誕生した経緯などを教えてもらえますか?

※3:ギャラリーうぉーく

「国分寺モリタテ会」の保坂さんが中心になってスタート。食もアートとしてとらえ、ギャラリーだけでなくカフェなども参加している。

多田 全ての始まりは『ぶらぶらマップ』なんですよ。きっかけは、カフェスローオーナーの吉岡さんが、『ぶらぶらマップ』を見つけて、当時新聞販売員だった奥田さんから保坂さんを紹介してもらったことなんです。それまで府中にあったカフェスローが国分寺に移転してきたのと、会社員だった高浜さんがおたカフェをオープンした時期が同じ頃だったので、吉岡さんも高浜さんも何か国分寺でイベントをやりたいと考えていたようです。

阿多 吉岡さんと高浜さんをつないだのも、奥田さんですよね。現在も「ぶんぶん」の事務局を担当して、企業から協賛金を集めたり、新聞販売店の仕事で培った商店街との繋がりを広げたりと、彼がいなかったらこのイベントは実施されなかったかもしれないくらい重要な人物ですよね。

多田 本当にそうですね。奥田さんがいてくれたお陰で個性的なメンバーをつなぐことができて、イベントもスタートができましたからね。そして、企画がスタートした2010年は、ちょうど都立武蔵国分寺公園の公園管理が都から「NPO法人バース」に変わった年でした。バースの蜂須賀さんや宮奈さんたちもちょうど公園で何かイベントをしたいと考えていたこともあり、「ぶんぶん」に積極的に参加してくれたことも大きかったですね。

阿多 それまで武蔵国分寺公園のイベントといえば国分寺まつりくらいしかなかったですからね。バースさんに変わってから、公園がすごく魅力的な場所になりましたね。

ぶんぶんうぉーく開催時、おたカフェ前の湧水タウンの様子

多田 宮奈さんたち公園側の協力がなかったら、「ぶんぶん」はここまで大きく広がらなかったんじゃないかと思います。

阿多 2010年の国分寺には色々な力やエネルギーが集まってきていて、今思えば「ぶんぶん」は、生まれるべくして生まれたイベントだったということですね。

阿多 「ぶんぶん」と一緒に「ギャラリーうぉーく」も同時開催という形でスタートしましたよね。

多田 保坂さんは、「ギャラリーうぉーく」をどうしてもやりたかったので、「ぶんぶん」と同時開催としました。当初は、「ギャラリーうぉーく」と「クラフトヴィレッジ」のスタッフとして「ぶんぶん」に参加していました。

阿多 第1回目の「ギャラリーうぉーく」と「クラフトヴィレッジ」の運営は、大変だったんじゃないですか?

多田 出店する作家さんを集めるのが大変でしたね。市内に多くのギャラリーがなかったので、保坂さんの発案で「公園にクラフト作家さんを集めたテントギャラリーを作ろう」ということで「ギャラリーうぉーく」+「クラフトヴィレッジ」という形での開催だったんです。

阿多 「クラフトヴィレッジ」の作家さんは、どのようにして募集したんですか?

多田 最初の年は、公募ではなくインターネットで見つけたり、知り合いのクラフト作家さんに声をかけたり、知り合いからお友達を紹介してもらったりしました。作家さんを求めて、都内のクラフトイベントに企画書を持って行ったりしたんですよ。また、ギャラリーだけでなく飲食店やカフェ、個人宅などにも直接足を運んで、絵画やクラフト作品の展示などを協力してもらったりもしました。

多田さんが制作を担当する「ぶんぶん」の総合パンフレット

阿多 何かを始めるときは、色々な苦労がありますよね。2013年からは「ぶんぶん」の事務局と総合パンフレットの制作も担当されてますよね。不安などなかったのですか?

多田 事務局は、手伝ってほしいと声をかけられたのと、総合パンフもスケジュール管理さえしっかりしていれば大丈夫と思い、引き受けました。基本、イベントなどプロジェクトをサポートするのは、好きな分野だったのでなんとかなると思っていましたね。

阿多 第1回目の「ぶんぶん」は、2011年9月に開催されましたね。実は、私たち「ぶんハピねっと」も同じ年の10月にスタートしたんですよ。初年度は受付をお手伝いさせて頂き、2年目はベビーグッズのxChangeで参加、3年目からは実行委員として親子タウンの企画を担当しました。多田さんとはそこからのお付き合いですね。それにしても9月開催は、お天気には悩まされましたね。

多田 そうですよね。当初は、9月の開催だったので、毎年のように雨や台風など悪天候の日があり苦労しました。特に2013年の「ぶんぶん」は、台風が直撃して、公園や「クラフトヴィレッジ」など屋外イベントが、残念なことに全て中止になりました。

阿多 その年は、後日「クラフトヴィレッジ」のリベンジ開催がありましたね。

リベンジ開催したクラフトマルシェの様子

多田 公園側から「ぶんぶん」のリベンジ開催をしようと声をかけてもらい、11月に武蔵国分寺公園で飲食店数店舗と一緒にクラフト作家さんに声をかけて、「クラフトマルシェ」と称して開催しました。イベントは、お天気にも恵まれ、とても好評でした。その成功もあって翌年からは、「ぶんぶん」の開催も現在の11月に変更しました。さらに季候の良い5月に「緑のギャラリーうぉーく」(※4)を新たに開催(2014年〜2017年)し、「ぶんぶん」と同時開催の「紅葉のギャラリーうぉーく」(2011年〜)と2014年からは年に2回「ギャラリーうぉーく」を開催することになりました。

※4:もともと「ぶんぶんうぉーく」は、季候の良い5月開催を予定していたイベント。東日本大震災が起きたため、開催が9月に延期になりました。そこで、「ギャラリーうぉーく」だけでも5月開催したいということで「緑のギャラリーうぉーく」がスタートしました。

 

自分たちも楽しめるイベント「てのわ市」の立ち上げ

楽しさが伝わる第1回目のてのわ市のフライヤー

阿多 「緑のギャラリーうぉーく」は、2018年で終了し、その代わりに登場したのが「てのわ市」ですね。

多田 年2回、春と秋の「ギャラリーうぉーく」、「ぶんぶん」でのクラフトヴィレッジ開催で多摩・武蔵野エリアの作家さんとの繋がりを広げることができました。その反面、イベントを継続していくためのサポートが年々ルーティーン化していって「これからは、もっと自分たちが楽しめること、自分たちが選んだ人に出店してもらえるようなイベントもやりたいね」という思いが出てきました。それで、今まで一緒に活動してきた武蔵野美術学院の学院長山内さん、くるみギャラリーオーナーの寺口さん、イラストレーターで陶芸家の堀込さん達と「てのわ部」を作り「てのわ市」を立ち上げ、第1回目を2018年6月に武蔵国分寺公園のこもれび広場にて開催しました。

木々の緑が美しいこもれび広場で開催された「てのわ市」

阿多 私たちも初年度の「てのわ市」にワークショップで声をかけて頂き参加しました。お天気もよく、たくさんの来場者で、大成功でしたね。会場のこもれび広場は、大きな木となだらかな斜面の丘があり、良いロケーションですよね。

多田 初めてのイベントで準備も大変でしたし、どのくらいの方が来てくれるのか全てにおいて手探りだったのですが、お陰様で1回目も2回目も天候にも恵まれてたくさんの方に来ていただき、嬉しかったですね。

阿多 準備は相当大変だったと思います。会場で使う手作りの旗など全てスタッフが1枚ずつ、シルクスクリーンで手刷りしたそうですね。デザインのセンスも良くて素敵でした。

多田 そうなんですよ。予算がないなか全て手弁当でした。大量のテントは、ギャラリーうぉーくで毎年少しずつ購入したものを、保坂さんからお借りするなどして色々助けてもらいしました。また、保坂さんには出店者として「てのわ市」にも参加してもらいました。2019年、2回目の「てのわ市」では、新しい試みとして「森の中美術館」を開催しました。場所は、こもれび広場の奥にある野鳥の森で、美術作品を10点ほど展示しました。見た方から「とてもよかった。1日で終了してしまうのはもったいない」とお声を頂いたこともあって、次回は「てのわ市」前後も楽しんでもらえるようにしたいと計画しています。

阿多 「緑のギャラリーうぉーく」とは別企画運営のイベントとして「てのわ市」を開催されてきたわけですが、「ぶんぶん」でのクラフトヴィレッジは、続けて開催されていますよね。

多田 現在のクラフトヴィレッジの出展は、公募でアマチュアのクラフト作品も出店可能にしています。「てのわ市」では、公募をせず、私たち運営メンバーがお薦めしたい、多摩・武蔵野エリアでプロとして活動するクラフト作家さんや魅力ある店舗さんに参加してもらっています。

お客さんで賑わう第1回目のてのわ夜市の様子

阿多 それぞれで棲み分けたクラフトイベントなんですね。また、10月には「てのわ夜市」も開催しましたよね。

多田 「てのわ夜市」は、国分寺マンションの地下1階にあるアンティークアベニューにて開催しました。2つも新しい事を始めた上に、「ぶんぶん」もあって、正直ヘロヘロになりましたが、楽しかったですね。

阿多 「てのわ夜市」、夜市という響きが魅惑的ですし、夜のお祭りと想像するだけでワクワクしますね。私も伺いましたが、個性的なお店が出ていて、小規模ながら出展する人も楽しんでいる感じが伝わってくる魅力的なイベントだなと思いました。

多田 夜市では、アンティークアベニューの店舗にも協力していただきました。普段、昼間のイベントには、営業時間中のため参加出来ない店舗などにも、参加をお願いしました。私たちスタッフも出店し、楽しみました。

阿多 今まで10年以上、地域の活動をしてこられた多田さんですが、今後の活動として何か考えている事、やりたい事があれば教えてください。

多田 「てのわ市」という形でスタートした「てのわ部」ですが、運営している私たちスタッフは、全て「てのわ部」の部員です。部長は、武蔵野美術学院学院長で「ギャラリー634」の山内さん。部活動のひとつが「市」だっただけで、今後は「てのわ市」に限らず、幻燈会(※5)、マップ作りだったり、もの作りだったり、自分たちでやりたい事を色々な形でできればと考えています。私は、会社員時代にプロデュースやイベントのサポートが得意分野だったので、そのスキルを活かして、今後もてのわ部のやりたい事を実現できるよう活動していければと思っています。

※5:幻燈とは、写真フィルム・図版・実物などに強い光を当てて、レンズで幕などに拡大映像を投映して見せるもの。(大辞林 第三版 コトバンクより)

多田さんのぶんハピ 国分寺歴 40年

仲間がいる国分寺で生活すること

私のぶんハピはズバリ、現在住んでいるマンションとまちの仲間ですね。

学生時代から憧れていたマンションに住み始めて約20年。地域デビューのキッカケでもあり、他人なのに親戚づきあいの様な隣人との距離感が心地いいですね。そして、至るところで手を振り合える仲間と出くわすこと。会社と家の往復だけだった国分寺の暮らしが、ぶんハピになりました。

 

取材を終えて

前回からほぼ5年近くも!更新していなかった「ひと」ページ。次は地域で活動する私と同年代の貴重な仲間、多田さんにお願いしよう決めていました。

あっと言う間に経ってしまった5年という年月の間に、多田さんは「てのわ市」という新しいイベントを立ち上げていました。

いつ会っても笑顔で、何でも柔軟に受け止めて地域活動をしている多田さん。彼女自身も楽しめることとして、仲間と始めた「てのわ部」の活動。次の展開を楽しみにしたいと思います。

このインタビューをまとめている間に、世界中がコロナウイルスによる感染が拡大し、現在、日本も不要不急の外出自粛となりました。ウイルス収束に未だ先が見えない状況で、残念ながら今年の6月に予定されていた「てのわ市」は、中止となり、10周年となる「ぶんぶんうぉーく」の開催も来年に延期になりました。楽しいイベントが先になってしまいましたが、きっと今までよりパワーアップしたイベントとなること間違いなし、楽しみに待ちましょう。

(2020年4月)

 

  取材:CHEERS

 


TERU PAN *閉店

地元に根差したパン屋さんを目指して

明るく広い店内。いろいろ見比べながら選ぶのが楽しい

もとまち通り沿いぶんバス東元町ルートの「元町駐在所前」バス停前、小坂農園野菜直売所のお隣に新しいパン屋さんができました。

店長の小坂曜生さんにお話をうかがいました。

 

お店のオープンはいつですか?

2019年10月19日

 

入口上にかわいらしいてるてる坊主のロゴマーク

店名の由来

自分の名前にTERUが入っていることと、実家が農家なので晴れはもちろん雨も降って欲しいということから、上下のてるてる坊主のロゴマークを考え店名をTERU  PANにしました。

 

――お店を始めたきっかけ

パンメーカーに勤めていたのですが、地元に戻って地元を盛り上げたいと。

 

――お店のパンの特徴は?

パンに合わせて様々な製法や粉を使用、生地に使用している砂糖は柔らかい甘さのでる素焚糖(奄美諸島産さとうきび)を使っています。

・角食パン→湯種製法でもっちり

・山型食パン→国産小麦使用

・バゲット→フランス産の小麦・塩・水を使用し、長時間発酵

 

クリームパン 税抜160円

――イチオシパンとお勧めポイント

自家製カスタードをたっぷり使用したクリームパン

 

――小坂さんの好きなパン屋さん

パン屋志茂

 

――リポーターの気になったパン 

左フルーツデニッシュ220円、右クラップフェン(シュガー)
100円税抜き

店内には30種類近くのパンが並んでいて、選ぶのに迷ってしまいました。

購入したのはフルーツデニッシュとクラップフェンのシュガー味です。

デニッシュはサクッとしていますが、しっかりと折り詰まったパイ生地でカスタードの甘さと合っておいしかったです。

クラップフェンはスタッフさんのお勧めだったのですが、ドイツの伝統菓子の一つだそう。見た目は沖縄のサンタ-アンダギーのようですが、揚げドーナッツのような生地ではなく、気泡のあるフワフワの柔らかい食感です。この不思議な食感みなさんもぜひ食べてみてください(シナモン味も有)。

お店の横に駐輪場や駐車場(2台)があり、ゆっくりとお買い物ができます。

ぶんバスのバス停が目の前なので、帰りに寄って下さる常連さんもいるそうですよ。たくさんの種類があるので、自分のお気に入りのパンを見つけに何度も足を運びそうですね。

 

小坂さんのぶんハピ  国分寺歴 25年

店長の小坂曜生さん

もみじ橋の遊歩道

通勤などでよく通っている道で、紅葉の時期がおすすめです。

 

取材:ぶんハピリポーター

 

 

 

 

お店情報

TERU PAN

住所: 国分寺市東元町2-11-8

TEL:042-316-8806

営業時間:9:00~18:00

定休日:月曜・不定期に火曜日

https://www.instagram.com/terupan_kokubunji/


E-JAM Studio

遊びながら英語に親しみ
新しい表現を見つける場所

元気に体を動かす子供たち

E-JAM Studioは、英語を使って表現することで自由な感性が引きだされる場所。スタジオでネイティブの先生たちにレッスンを受ける、ミュージカルクラスやシアタークラスのほか、市内の幼稚園、保育園でも定期的に出張レッスンを行っています。

代表の高瀬一樹さんは、幼少期から歌舞伎の舞台を踏む経験を積みながら「世界を見たい」と渡米。平成中村座ニューヨーク公演やブロードウェイをはじめとした多くの舞台の作品製作に関わるなど、およそ30年にわたりニューヨークを拠点に活動してきました。

2年前に日本に戻り、国分寺でスタジオを構えた高瀬さんは、子どもたちの様子を「遊びながら言葉の感触、言葉のパワーをつかんでいる」といいます。

ネイティブの先生と一緒に、のびのびと表現

リポーターが見せていただいたのは、小学生クラス。子どもたちは、先生の英語の呼びかけにテンポよく応えていました。時々、「ん? どういう意味かな?」というように、首をかしげる子もいましたが、周りの反応や先生のジェスチャーを見て、すぐに合流。走り回る子もいれば、先生の真似をして動く子、ジャンプしている子。いろいろな動きが自由に生まれ、スタジオは一気に子ども達の笑顔で満ちていきました。

保育園で行うレッスンでは、「ごっこ遊び」の感覚をふんだんに取り入れているのだそう。”Catch !” と言いながら蚊を捕える動作を続けていくと、子どもたちはそのうち、本当に蚊が見えてくるように動き始めるのだといいます。

「『ここは海。波が来たよ、魚がいたよ』とやっていると、本当にそこに海が存在してくるんです。こういうのは、子どもたちは本当にうまいです。想像がはじけると本物になる。それが、創造になるんです」と、高瀬さん。

冒頭で紹介した小学生のクラスでは、こうした自由な表現をさらに発展させ、「一つの作品にみんなで参加する」方向に進んでいきます。言葉に動きを合わせながらミュージカルの楽曲を歌い踊る様子は、本当にカラフル。一つの歌をそれぞれの表現で歌う姿には、喜びがあふれていました。

2019年ハロウィン公演では「アダムスファミリー」を歌とダンスで表現

クラスの中で楽しく子どもたちをリードしていたレナさんは、国内外の多くの舞台に立つダンスパフォーマー。高瀬さんとはニューヨークで知り合い、帰国後、共にE-JAMをつくり上げてきました。

始めた当初、レナさんは「日本の子どもたちはシャイ」と感じたといいます。

「人前で表現することに抵抗がある子が多いかもしれません。どの子もみんな良さを持っているので、恥ずかしさの殻を脱いで自分を外に出せるようになるといいなあ、と思ってレッスンをしています」。

ネイティブの先生にも物おじせず、のびのびと表現する子どもたちの姿に、思わず「英語での表現は、日本語とは違う部分があるのでしょうか?」とたずねると、「英語という言語自体に、対等で自由な表現を引き出す力を感じます。文化的な背景もあるかもしれませんが、日本語には“ニュアンス”や細やかな敬語表現など、あらゆる言葉に『形式』が付いてきます。一方、英語は先生も生徒も”you” と呼び合うように対等で肩ひじ張らない世界。表現までの距離が短い、というのはあるかもしれません」と高瀬さん。

普段と違う言語を使うことで自分を囲む世界から解放され、自由になれる面もあるとか。英語圏で長年表現活動に身を投じてきた高瀬さんならではの観察には、大きな説得力がありました。

小学生クラスの保護者の方に話を聞くと、「息子は強制されるのが苦手なタイプですが、ここで過ごす時間はとても楽しいようです。家でも毎日英語で歌い、踊っています」とのこと。発音がどんどん良くなって、驚いているそうです。

英語を使うことで、初めて涌き出す表現を発見できる。同時に、表現を通して英語が自然に体に入り、自分のものになる。そんな体験、一度試してみてはいかがでしょうか。

 

高瀬さんのぶんハピ 国分寺歴 2年

左:レナさん 右:高瀬一樹さん

殿ヶ谷戸公園

殿ヶ谷戸公園です。あそこに行くと、いろいろなことを考えられます。時空を超えることができる、素晴らしい場所だなあと思っています。

 

レナさんのぶんハピ 国分寺歴 2年

東元町のモミジ橋

東元町のモミジ橋をよく通るのですが、あの場所も時空を超えた不思議な空間ですよね。

秋は紅葉がとてもきれいですよ。

 

リポーターの感想

娘が体験レッスンで部屋に入った瞬間から、楽しさが伝わってきました。ネイティブの先生方の温かい接し方や、子どもの想像力の芽を見逃さずに引き出す様子から、英語と表現がともに育っていくことを実感しました。

大人向けのレッスンもあるそうなので、そちらにも興味津々です。

 

取材:ぶんハピリポーター

施設情報

E-JAM Studio

https://www.e-jamstudio.com/

ミュージカルクラス(90分)@スタジオDUO

日曜クラス 11:10~12:40

レッスン料:12,000円(月4回)/ 6,500円(月2回)

火曜クラス 16:30~18:00

第2・4火曜日

レッスン料:6,500円(月2回)

チケット(4回・2ヶ月有効) 13,000円

 

シアタークラス(60分)@スタジオDUO

火曜 18:00~19:00

レッスン料:10,000円(月4回)/5,500円(月2回)

 

キンダー・ミュージカル(60分)@カフェといろいろびより

第1・3火曜 15:00~16:00

レッスン料:5,000円(月2回)

※カフェの都合により、日にち変更の可能性があります。

 

Ron’s Singing クラス(60分)

土曜 15:00~16:00

レッスン料:2,500円(1回)

※料金は全て税込価格。

※詳細はHPをご確認ください。


スタジオDUO

カフェといろいろびより

cocobunji WEST 5階