奥田大介さん (ココブンジプラザ ぶんかターミナルコーディネーター・『こくベジ』配送担当、カウンセラー)

まずはやってみる、役割として働くと新しい仕事ができる
面白がると仲間が増えて、仕事が広がっていく

市内の畑にて

奥田さんは、cocobunjiで「ぶんかターミナルコーディネーター」として勤務。民間のカウンセラー資格を取得し、心と身体の相談も行っておられるとのこと。市内のお店などで『こくベジ』のタペストリーを見かけたことがある方も多いと思いますが、奥田さんはこのプロジェクトのブランディングから参加し、現在は仲間と『こくベジ』の配達を行っています。また国分寺ではもうお馴染みになったイベント『ぶんぶんウォーク』にも、立ち上げから関わり10年以上事務局を務めてこられました。

国分寺で有機的に人が繋がることで広がった多くのプロジェクトやイベントに様々な形で関わってこられた奥田さん。自分の住む街で誠実に柔軟に働いてこられた奥田さんの“これまで”と“これから”についてじっくりお話をうかがいました。

※カウンセラーの民間資格

※『こくベジ』とは、国分寺市が地方創生先行型事業の一環として始めたプロジェクト。

現在は、JA・商工会・観光協会を中心に地産地消を目標に取り組んでいる。

今までの仕事

1. インプット中心の毎日
大学ではマーケティングを学びながら、心に関心を持ちカウンセリングを独学していたそう。在学中から新聞営業、サプリメントの販売、ポケベル・携帯電話の販売など様々なバイトをし、その後就職せず、携帯電話、新聞販売などの仕事に従事され、営業成績もよく、賞をとることもあったそうです。

2000年2月に国分寺の新聞販売店に就職。親元を離れ一人暮らしをすることに。新聞配達は早朝の仕事。まだ誰も起きていない時間に働き、時間を有効に使うことができたそうです。新聞配達をしながら新しく引っ越してきた人を見つけて、新聞販売に繋げるなど街の変化を素早く察知していた奥田さんは、多摩でトップクラスの営業成績を上げて就職3年目で販売店の店長を務めるようになりました。この頃は、起業本や自己啓発本を読みあさり、アンテナを常に立て時代の先を読むためにインプット中心の毎日だったとのことです。

2.地域とつながる
店長になられてからは、新聞販売の仕事を通して折り込みチラシを有効活用して地域の役に立つこと、活動している人を応援することを積極的に行い、地域と関わっていったと言う奥田さん。

地域でネットワークが広がり、様々なメディア(『武蔵ジャーナル』『武蔵チャンネル』『アサココ』)やプロジェクト『ぶらぶらマップ』、『ぶんぶんウォーク』等の立ち上げに関わっていかれることになります。地域活動を通じて市内の店舗や商店会と繋がり、活動仲間も増えていきました。奥田さんは、国分寺のイベントやプロジェクトなどのメンバーの一人として地域で活動する人にとって欠かせない存在になっていきました。

3.カウンセリング術との出会い
そんな奥田さんに訪れた転機は、2012年に学生時代とは違うカウンセリングを受けたこと。もともと心に関心があり大学卒業後もカウンセリングの資格を取り、心や健康相談なども行っていた奥田さんの向学心が呼び覚まされました。これを機にカウンセリングを再度学びたいと、仕事の合間を見つけてカウンセリング術を勉強し直しました。改めてカウンセリング術を学んだことで、自分自身の仕事との向き合い方も見直すことができたとのこと。

「今までのインプット中心の生活は、自分の不足を埋めるためだったと思います。頭で考えすぎる毎日は、未来のために今を犠牲にしていたと気づきました。そしてカウンセリングを学んだ後は、自分の不足を自然に受け入れられるようになり、今を大事にして生きる生活へとシフトチェンジする事ができました」と当時を振り返って話して下さいました。

こくベジ号で配達中の奥田さん

4.新しい働き方へ

2013年に新聞販売店を退職。しばらくカウンセリングの勉強をしながら、地域の活動を続けていたそうです。『ぶんじバイク便(BBB)』や知り合いのカフェの買い出しを手伝ったりという地域活動を続ける中で、街に野菜を配送するインフラがあれば色々な可能性をひろげることができること、同時にこれを仕事にしていくのが難しいため誰もそこに手を挙げないことがわかったそうです。

2015年度、国分寺市が地方創生先行型事業として『こくベジ』プロジェクトを立ち上げた際、奥田さんの地域活動の実績からプロジェクトメンバーとして声がかかり、ブランディングの仕事に関わることになりました。

プロジェクト内でも「誰かが野菜の配送をしないと運営が難しい」という話になり、地域の活動仲間と「それなら僕たちで配達してしまおう」とプロジェクトと並走して『こくベジ』の配送(こくベジ便)も担当することになったそうです。

これまでに積み上げてきた地域の人との繋がりとマーケティングや販売経験を基に『こくベジ』が日常に組み込まれる仕組みを作り、営業をせず、口コミで広がっていく事を大事にした新しい働き方のスタイルを作り上げました。

※『BBB』とは、地域通貨『ぶんじ』に関わりのある人たちのものを運ぶサービス。お礼として『ぶんじ』で受け取るプロジェジェクト。

現在の仕事

Cocobunjiプラザ勤務時の奥田さん

奥田さんは現在、cocobunjiで『ぶんかターミナルコーディネーター』として月に10日働き、cocobunjiプラザなどで開催するイベントのコーディネートをされています。週に2〜3回の『こくベジ』の配送管理をしながら月に1,2回実際に配達も行っています。

『こくベジ』は、食を中心にして、作る係(農家)、届ける係(こくベジ)、食べる係(店舗や街の人)という、それぞれが役割分担して成り立っている。日常にこの仕組みを組み込み、その役割を一人でやらず仲間と動くことで新しい仕事ができた。また地域の仕事と並行してカウンセラーとして心と身体のカウンセリングも行っているそうです。

「与えられた仕事をこの街でやらせていただいていると言う姿勢で常に仕事をしている」という奥田さん。働くことをそうとらえるようになってからは協力者も得やすく、仕事も広げやすくなったとのこと。「活動が相互的に有機的に繋がって仕事になっていくことが大事だと思う。自分の住む街で自己実現できる今の環境は素晴らしいと思っています」と現在の状況について語ってくださいました。

奥田さんの時間の有効利用ポイント

朝時間を活用し、家事は同時進行で行うこと。
早朝に進行中のプロジェクトの定例ミーティングやひとり会議をおこない朝時間の有効活用をしています。家事も、お風呂を沸かしながら洗濯をして。その間に翌日の持ち物の準備をするなど、常に意識して2つ以上のことをやるようにしています。

奥田さんにとってはたらくこととは?

はたらくことは、生きることそのものだと思う。経済的(衣食住)なことは、なんとかなるものだと思っている。
そして面白がること。次へのきっかけを作ること。
人生で無駄なことは一つもない。迷ったらやってみる。そこから学ぶことも多い。自分にストップをかけることを止める。自分自身に嘘をつかないこと。本当のことを言わないと自分の本意ではない道にすすむことになると思う。今まで関わってきたプロジェクトやイベントも失敗していることの方が断然多いが、その失敗も全て次のステップの役に立っていると思う。

以前、タレントの神田うのが「私の職業は、神田うの」と言っていたと友人から教えてもらいました。これは「職業は○○です、ではなく自分自身だ」ということ。何かになるということが目標になってしまっている人が多いと思うけれど、何かになるのではなく常に自分自身でいることで力を発揮できると思う。(奥田さん談)

これからの仕事について

世の中に名を残すことよりも物事の本質を極めて、何らかの影響を残せる仕事をしたい。
人生で実現不可能なことはないと思っている。遠くの目標も、身近にできることに落とし込んでコツコツ継続することで遠くまで行けると思う。自分自身の名前「大介」のように「大きく介する人」として小さな流れを続けていくことで大きな流れにしていきたい。

具体的には、現在行っているこくベジの試みを国分寺以外でも展開していきたいと思っている。まだ企画段階だが、年内には東京全体の地産地消を進めるプロジェクトと連携していくことを準備中。

奥田さんにとってのぶんハピごはん 国分寺歴32年

チャイニーズレストラン 『オトメ』の唐揚げ丼・ニラレバ・高菜そばなど
身体が喜ぶ美味しいものを食べたいと思うと『オトメ』に行っちゃいます。

取材を終えて

いつ会っても笑顔で穏やかな印象の奥田さん。今まで奥田さんが愚痴を言ったり、怒ったりしている所を見たことがないのですが、喜怒哀楽が激しい私としては、いつもその心の安定を羨ましく思っていました。
そして奥田さんが物事を常に客観的に眺めている人だなと感じていた理由を今回の取材で知ることができた気がします。奥田さんの取材をしたいと思いながら、今日まで来てしまったのには、何か意味がある気がしています。奥田さんがこれまで国分寺で着実にしっかりと根をはってきた活動が、今後さらに枝葉を伸ばしどんな花を咲かせていくのか楽しみです。
取材:CHEERS


yuka(ゆか)さん(星と香りのあしもみサロンOWL主宰)

自身が癒されたアロマセラピーを仕事に
女性が「私に還る時間」を提供する

「星と香りのあしもみサロンOWL」のyuka(ゆか)さん

「星と香りのあしもみサロンOWL」のyuka(ゆか)さんは、東元町の「カフェスロー」や西国分寺の「まめカフェ」で定期的に施術を行うほか、出張トリートメントやワークショップなど、さまざまな方法で女性が「私に還る時間」を提供しています。子育てもしながら「OWL」の活動を着実に広げているyukaさんの「これまで」と「これから」を聞きました。

今までの仕事

1.アロマとの出会い

yukaさんが提供してくれるOWLのしつらえは隅々まで美しく体だけでなく心も安らぎます

大学では映像芸術を専攻していたyukaさん。視覚的な表現について学びを深めていた4年目の冬に、日本国際博覧会「愛・地球博」の公式記録映像を制作するプロジェクトが発足。愛知県は祖父母も住むなじみの土地だったということもあり、卒業を待たずにスタッフとして働き始めました。

飛び込んだ職場は、全国のテレビ局や通信社が集まるプロフェッショナルの最前線。即戦力を求められ、大学卒業の浮き足立った気持ちを十分に味わう暇もないまま、必死で業務に食らいつく日々が続いたそうです。

映像の編集作業など長時間のデスクワークから、次第に肩こりや腰痛、生理痛が悪化。この時期に、ふと立ち寄ったアロマショップで買い求めた本とラベンダーオイルが、転機の鍵となりました。

 

2.視覚から五感へ

ワークショップで作って持ち帰れるアロマスプレー

見よう見まねのセルフケアで自分自身が癒され回復するのを実感し、万博のプロジェクト終了後からアロマコーディネーター協会の資格取得に向けた勉強をスタート。同じ頃、「BeGood Café」ではじめて食べたオーガニックフードに衝撃を受けたことがきっかけとなり、食生活にも関心を持つように。

「それまで視覚にこだわってきたけれど、五感全てに興味が広がっていくのを感じた」と当時を振り返ります。

見事資格を手にしたyukaさんは、「元気になる余裕のない状況は、もう無理。アロマセラピーで自分だけでなく、人も元気にしたい。私は、これを仕事にする!」と決心。

東京に戻ると早速、アロマセラピーサロン「caon」のオープニングスタッフとして働き始めました。どんなお客さまでも、どんなメニューでも率先して対応したため、スケジュールは瞬く間にいっぱいに。

あまりの繁盛ぶりに疲れを感じ始めたころ、「気」を巡らせる「レイキ」という手法を習得。自分が疲れることなく施術ができるようになり、出産間際までいつも通り無理なく仕事を続けることがでたそうです。

 

3.出産を機に休業

長男を出産し国分寺に移ったばかりの時期は、周りに知り合いもなく、子どもとだけ過ごす毎日。ホルモンバランスの乱れに翻弄され、心が不安定になる日もあったといいます。

そんな頃、たまたま参加したヨガ教室の講師の姿が「子育て中でも、自宅近くでみんなに生き生きとヨガを教えている。そんな働き方もできるんだ」と印象に残ったといいます。刺激を受けたyukaさんは、長男が幼稚園に入るのを待たずにフリーのアロマセラピストとして活動する準備を始めました。

現在の仕事

心身ともにほぐされる、yukaさんのハンドトリートメント (カフェスローにて)

自身も子育てをしながら、子育て中のお母さんや、疲れのたまった女性たちに施術を行ってきたyukaさん。二人目妊娠の休業中には「子どもとの関係を読み解きたい」とアロマ占星術もマスターしました。

「子どもも自分と違う人間なんだ、と理解することができ、自分自身を知ることにもつながりました」

お子さんの成長とともに施術以外のメニューも増え、アロマを使用した作品を作るワークショップ、占星術から導き出されたアロマを使ったプチリフレ、リトミック教室「オトノハ」講師akiさんとのユニットhahanoteでのベビーマッサージなど、さまざまな形に発展。最近では国分寺以外の場所にも活動の場を広げています。

気がつけば「caon」勤務のころのように「あなたがいい」と選ばれるサロンに成長していたのでした。

yukaさんの時間の有効利用ポイント

忙しくても、”呼吸”を意識します。5分間くらい瞑想するのが理想だけれど「5分だって無理……」と言う状況もありますよね。そんな時は、心を集中して数呼吸するだけでも頭がすっきりするんです。内臓の働きも良くなるし、頭を空っぽにする瞬間を作れると「変わった!」と感じます。

yukaさんにとって働くとは?

社会の『循環』の中の一人として、自分らしくいられること、かな。育児ももちろんその一つですが、私には育児と仕事の両方があってはじめて“自分らしい”と言えるような気がします。みんなが『循環』の中で、それぞれの“自分らしさ”を発揮できるといいな、と思います。

これからの仕事について

カフェスロー内にある和室を使ったサロンの様子

「たくさんの人を元気にしたい」

子育てをしながら、国分寺を拠点に活動の場を広げて8年。そろそろ二人の子どもも手が離れてきて、「OWL」のメニューを見直す時期に差し掛かっているといいます。

「これまでは『小さい子どもがいるから』『子育て中だから』と控えてきたことも、これからは『たくさんの人を元気にする』という覚悟を持って、もっと深く取り組んでいきたい」と話すyukaさん。

今後は、従来通りの施術の他に、現在hahanoteで伝授している赤ちゃん向けのマッサージやお母さんの簡単なセルフケアだけでなく「自分でできるトリートメント」、「家族にしてあげるトリートメント」などのより専門的・本格的な技術を伝えることで「お母さんが家族にとってのセラピスト」になれるようなメニューを増やしたいとのこと。

産後辛かった経験を思い返して習得した、産褥期のマッサージも行っていきたいそうです。

yukaさんのぶんハピごはん 国分寺歴22年

元気をもらえるお店の美味しいご飯

たくさんあってとても一つに絞れませんが、あえて言うなら好きな量を取っていただける『カフェスロー』のスロープレート。食材から厳選していて、味わいを楽しめます。

アロマサロンOWL HP

取材を終えて

映像制作時代の心身の辛さからアロマセラピーの門をたたき、産後の辛さから産褥期のマッサージを学び、子どもとの関係の難しさから占星術を勉強……。苦境に直面するたびに乗り越える武器を努力で手に入れ、バージョンアップをし続けていることに驚きました。

「アロマセラピーは、天職?」と尋ねると、仲間から「大きい」とうらやましがられたという手を見つめながら「これが天職……なのかなあ」と、つぶやいたyukaさん。しかし、これからの展開について訊くと「セラピスト育成のメニューも、本格的に考えていきたい」と、はっきり話す瞳は強く輝いていました。

柔らかな外見からは想像できないほどの強さとしなやかさを持つyukaさんの施術は、どっしりと優しく心と体を芯から癒します。これからも、たくさんの人に「私に還る」美しい時間を、誠実に手渡していかれることでしょう。

 

取材:ぶんハピリポーター


田中裕子さん(菓子工房スローロリス、菓子製造販売)

お菓子づくりが自己表現
マイペースで自分らしく働く

看板商品の米粉のシフォンケーキ
スローロリスのイラストロゴはお友達が描いてくれたもの

自分がどんな働き方をするのかを選ぶのは自分自身です。結婚・出産で仕事を辞めてしまった後、その後の働き方をどう選択したらいいのでしょうか?

一生涯続けられる仕事としてお菓子作りを選んだという、田中裕子さんにお話しを伺いました。

今までの仕事

菓子製造許可の為にキッチンを改装、流し以外に手洗い場を設置

百貨店で輸入陶器の販売を5年ほど経験、デザイン学校でグラフィックを勉強したのち、陶器を扱うギャラリーの立ち上げに関わり、コーディネイターとして勤める。仕事は土日の出勤があるため、結婚を機に退職。その後、子育てをしながら一生できる仕事を模索。

家でできる仕事として、布小物を作り、国立駅の近くでBOX販売をしていたが、その際にお菓子をだせないかと相談され米粉を使ったシフォンケーキを作ることに。シフォンケーキにしたのは、ママ友が手作りしてくれたシフォンケーキに感激したのがきっかけ。他と差別化するため当時では珍しかった米粉で試行錯誤し、今に続く看板商品、米粉のシフォンケーキを販売。

田中さんが長年愛用しているガスオーブン

末のお子さんが幼稚園に通い始めたのを機に、製菓の専門学校へ通って本格的にお菓子づくりの勉強をスタート。お菓子を作って欲しいとの依頼も多くなってきため、自宅キッチンを改装して菓子製造業の許可*を取得。

*お菓子等を自宅で作って販売するためには、自宅で使用するものとは別に、専用のキッチンや手洗い場などの設備が必要です。そのための設備を整え、保健所に申請をして菓子製造業の許可をもらって、はじめて販売用のお菓子を自宅で作ることが可能になります。

現在の仕事 4つの形でお菓子をお届け

1 受注販売

焼き菓子の詰め合わせ
左から紅茶パウンド、フィナンシェ、マドレーヌ

メインはフェイスブックやラインのタイムラインを通して、焼き菓子の注文を受けて直接手渡しで販売するスタイルです。スローロリス(サル科に属する動物の名前)という名前の由来は、スローにマイペースにという思いから。スローロリスが特に好きだったわけではないと笑う田中さん。受注販売にしたのは、顔が見えるお客さんに向けて販売でき、お菓子のロスも少なくない為、いまの形に落ち着いたとのこと。ホームページもあるが、口コミで注文がくることがほとんどだそうです。

田中さんがお菓子作りで大切にしていることは、「お菓子作りは自分表現だと思っているので、良い素材を使って美味しいものを作ること」。使用している材料は、国産米粉、国産小麦、有機栽培のレモン、生活クラブの卵や遺伝子組み換えでない菜種油、てんさい糖などを吟味して使用しています。てんさい糖は体を冷やさないと言われるそうで、食べる人のことを考えて体に優しいお菓子を作っているそうです。

2 店頭委託販売

カフェといろいろびよりhttps://bunjihappy.com/archives/7969でシフォンケーキなど焼き菓子の委託販売をしています(夏季を除く)。

3 イベント参加

マルシェに出品した焼き菓子
抹茶やココアを使った二色のシフォンケーキ

年に数回イベントに出店(びより市、まめカフェマルシェ、武蔵野BOOK+マルシェ等)

今年初めて参加した古本屋さんとのイベント武蔵野BOOK+マルシェでは、個性的な出展者が多くいろいろな人との会話を楽しめ、異業種とコラボしたイベントならではの面白さを感じられたとのことでした。

4、お菓子教室

不定期にお菓子教室を開催(@まめカフェ、カフェといろいろびより)。

過去に開催された教室の内容は、米粉のシフォンケーキ、ロールケーキ、ヘクセンハウス(お菓子の家)、チョコタルトなど。

教室開催は、HPやラインのタイムライン、Facebook、インスタグラムにて告知しています。

田中さんにとって仕事とは

「仕事はやりがい、ないとくたっとしてしまうし、生涯現役でやっていきたいと考えている。お菓子作りは好きな仕事なのでストレスにはならないし、作ることが大変と負担に感じてしまってはおいしいものができない」とさらりとおっしゃいました。一生涯できる仕事として、お菓子作りを選んだ田中さん。たくさん売ることが目標ではなく、長く続けるために自分のできる範囲で、無理せず美味しいお菓子を作っていきたいそうです。

田中さんのリラックスツール

「陶器、キッチン用品が大好きで、デパートに勤めていた時から色々集めています。スペース的に限度があるので、お菓子作り以外の食器類は増やしてないです。でもデパート、ギャラリー、その他のショップで陶器類、クリスタル類を見るのが大好きで、ワクワクして気分がアゲアゲになります。ほんと癒されます。」

これからの仕事

季節限定で地元産の栗を使用した渋皮煮タルトは人気商品

 

「これからというか夢なんだけれど・・いつか駅の近い場所を借りるか家を改装するかどちらかの方法で、カフェを運営してみたい」という田中さん。長く続けるために仕事は無理をしないのがモットー、お菓子はもちろん自分で焼いたものを提供するけれど、「お店自体は人に任せてかなあ」と楽しそうに話されていました。

 

田中さんのぶんハピごはん  国分寺歴 23年

田中裕子さん

新潟出身なので、美味しいお魚を食べるのが好き。お店に食べに行くのもいいですが、主人が釣りを趣味にしているので、鰹やシイラ等釣ってきた魚を家でさばいて食べるのは、新鮮でやっぱりおいしいですね。寒い時期に釣りに行かなくなったので、夏場限定。夏の冷凍庫は釣り用の氷でいっぱいなんですよ。

HP  https://slowloris0710.crayonsite.com

 

 

取材を終えて

実は田中さんとはご縁があって、何度かまめカフェで開催されたお菓子教室に参加させてもらったことがあります。お菓子を作るときに大変と思わないという田中さん。教えて下さっているときの動きに無駄がなく、簡単に作れそうに思えます。私が家で作ると手際が悪く上手くはいかないのですが、作る工程をみているので、田中さんに教わったレシピは何度も作るようになりました。
現在専業主婦で、これから何かやりたいけれど何がやれるだろうと思っていた私には、一生の仕事を選んでつきすすみ、自分の才能を信じられるものが見つかるかなあ、と思いながらお話を伺っていました。田中さんから「マイペースで無理なくできる仕事を自ら作っていく」という働き方のヒントをひとつもらった気がしました。

 

取材:ぶんハピリポーター


施設 勉強カフェ

目標達成にスタッフが後押し
大人のための勉強スペース

国分寺駅南口の階段を下りて右手に進むと、ビルの入り口に「勉強カフェ」の看板が見えてきます。エレベーターを6階で降りると仄かに良い香りが漂い、パリッとした暖簾が。ほどよく光が入ったカフェ内には、小さな音量で音楽が流れています。壁紙やソファはグリーンで統一され、オーナーがこだわった重厚感のある家具と奥に並ぶ本が部屋全体に落ち着きを与えています。新聞を読む人、ヘッドホンをつけて机に向かう人、スタッフの方とお話しする人。みなさんリラックスして過ごす様子は、シェアハウスのリビングといった雰囲気です。

落ち着いた色調が大人な雰囲気のラウンジ

「大人のための勉強場所」として2016年に国分寺にオープンして以来、学生から主婦、フリーランス、サラリーマンまでと幅広く利用されている「勉強カフェ」。定期利用の方が着々と増えているのだとか。「ビジターとしてスポット利用も可能ですが、目標達成には月会費を納めて継続的に来ることをオススメします」と話すのは、勉強カフェ国分寺スタジオ マネージャーの小熊裕美子さん。会員同士で顔見知りができ、“ここで勉強をする”というリズムもできてくるため、ほとんどの方が月会員として利用しているそうです。

一人になって集中できる、ワークスペース

入口すぐの「ラウンジ」や、会議室やセミナールームとしても使える「イベントルーム」では、勉強はもちろん、他の利用者と話をしたり、食事をとったりして過ごすことができます。誰にも邪魔されず、もっと集中したいときには、奥にある「ワークスペース」のブース席を利用しても。こちらでは食事はできませんがコーヒーや紅茶などのフリードリンクは他の部屋と同様に利用可能。全席フリーアドレス(自由席)、店内では電源、Wi-Fiが使用可能です。

マネージャーの小熊さんは、実は元々は「勉強カフェ」の利用者。「勉強カフェ」の魅力と可能性に惹かれ、スタッフとして働きながらキャリアコンサルタントの資格も取得したという努力家です。「勉強カフェ」の良さを知り、場所の提供だけではない価値を創り出そうという前向きな気持ちが、ここに来る人の「がんばろう」という気持ちを後押しし、会員との温かな繋がりを結んでいることが伝わってきました。

 

利用するには

珈琲や紅茶、お茶が無料で提供され、飲み放題

1.会員登録が必要

カウンターで会員カード(1080円)を作成し、会員の種類を希望に合わせて選び、申し込みます。※ビジター使用の場合は、会員登録は必要なく、席が空いていれば利用できます。

また、どんなところか事前に知りたい方や体験したい方などは、まずは無料見学会に参加してカフェ内の使い方のレクチャーを受け、利用体験をしてみるのがおススメです。(見学は予約不要。無料見学会は、店舗ごとの開催日をHPでご確認ください。2時間無料体験は、希望の日時を申込フォームから登録。)見学会当日に会員登録すると会員カード作成料が無料になってお得です。※お子さん連れでの見学は、勉強カフェという場所のためNGです。

 

バラエティに富んだ書籍は貸し出しも     (会員のみ)

2.利用時間

平日:9時から23時まで

土:9時から22時まで

日・祝日:9時から20時まで

 

3.利用料金

プランによって様々なバリエーションがあります。

例)

【レギュラー会員】 月会費:11.750円(税込み)

平日:17時から23時まで

土:9時から22時まで/日祝 9時から20時まで

【デイタイム会員】8,618円(税込)

平日:9時から18時まで

【ビジター料金】1時間500円(税込)、1日2,500円(税込)

※時間や料金は、HPやパンフレットで詳細をご確認ください。

 

誰におすすめ?

資格試験や専門知識の習得など、目標のために勉強をしたい人におすすめです。

とはいえ、「今は子どもが小さいから、もう少ししたら何か始めたい」と思っていても「勉強」という言葉にはすぐにピンとこないという方も多いでしょう。そんな方も、読みたかった本を集中して読んでみたり、一人になって自分のことをじっくり考える時間を持ったりすることで、次のステップに繋がる何かを発見できるかもしれません。これから何をしようかを考える人にもオススメです。マネージャーの小熊さんは、キャリアコンサルタントなので相談してみることも可能です。

 

なぜここを利用するといいの?

stamp sheet 。小さな積み重ねが力に    (希望者のみ)

‣目標に向かって集中できる→ 一人だと気が滅入ったり、怠けてしまったり、他のことに目が行ったり……。しかし、「勉強カフェ」に来れば、よい刺激を受けながら仕事や勉強に集中することができます。同じ目標に向かって学ぶ人、また全く違うジャンルの人、いろいろな人が集まるこの場所には、様々な仕掛けがあります。
「せっかく料金を払ってきていただくので、ただ空間を提供するだけではなく、是非目標を達成してもらいたいな、と思っています」と、小熊さん。

会員は、和室を1日30分無料で使えます

‣様々な人と交流できる→学生から会社員、研究者や音楽家まで実に多様な方々が利用するこのカフェ。ラウンジで息抜きに会話をしたり、スタッフの方が同じ勉強をしている人を紹介(希望者のみ)してくれるなど、コミュニケーションの後押しもあります。勉強に直結しなくとも、いろいろな人と交流することが大きな刺激になることは間違いありません。
‣グループの集まりや、趣味の場所としても利用できる→セミナールームで話し合いや研修を行ったり、和室でお稽古をしたり、といった使い方も可能。「和室はマンツーマンレッスンで使われる方もいますし、勉強の合間の休憩にも。リラックスできるので好評です」(小熊さん)

 

利用を考えている方へ

各席には小さな「ことば」が。「日々置く場所をシャッフルしているので、その日その日で出会うことばを楽しみにしてもらえたら」との心配り

「やりたいこと、学びたいことが決まっている方には、是非一度訪れてみていただきたいと思います。まだ明確には浮かばないという方は、お子さんが保育園や幼稚園、小学校に言っている時間や土日などに一度、体験にいらしてください。この空間で一人机に座っていると、やりたいことがあれやこれやと頭に浮かんでくるかもしれません。
コーヒーを飲みながらぼんやりするというのも、頭と心をリフレッシュの役に立つのではないでしょうか。 子育てに忙しいお母さんにも、自分の勉強や考え事をする空間としてご利用いただけると嬉しいです」(小熊さん)

 

もっと知りたい方へ

HPでは、利用方法の他に単発・定期で行われるイベントや交流会などの情報もチェックすることができます。
https://www.benkyo-cafe.net/studio/kokubunji/

 

小熊さんのぶんハピごはん  国分寺歴1年9ヶ月

国分寺センターマネージャー    小熊裕美子さん

でみCafeのドーナッツ
店主のでみさんにはオープン当初から大変おせわになっており、地域活動をご一緒させて頂いております。でみさんのドーナツはもちもちしていて本当に美味しいですし、お店ででみさんとお話しするだけでHAPPYな気持ちになります!

 

 

取材を終えて

近隣のお店のフライヤーコーナーにぶんハピねっと作成の「ようちえんナビブック」で紹介した勉強カフェのページを展示してくださっていました

実は、「勉強カフェ」と聞いたときには「家で勉強するのと何が違うのかな」と思っていました。が、暖簾をくぐった途端、想像とは全く違う空間に驚きました。音楽が流れ、人の気配があり、遠からず近からずのスタッフとの距離感。これは勉強もはかどるな、と思いました。マネージャーの小熊さんやスタッフの皆さんのきめ細やかな対応や、会員のみならず地域とのつながりも大切にする姿勢に、今後の広がりが見えるようでした。

 

 

取材:ぶんハピリポーター


堀江由香里さん(NPO法人ArrowArrow代表理事)

NPO法人ArrowArrow代表の堀江由香里さん

子育ても仕事も自分らしく生きられる社会に
「人生は自分で選ぶ」をサポート

出産や育児、介護などのライフイベントをきっかけに女性は「家庭か仕事か」悩みがち。でも、二者択一の人生ではなく選択肢が溢れる未来、そして女性が選びたい人生を自分で決めて自分らしく生きられる社会を目指して、国分寺を拠点に全国で活躍する堀江さんにお話を伺いました。

今までの仕事

1.人材業界のベンチャー企業

堀江さんの最初の仕事は人材業界のベンチャー企業。「初めから独立することを決めていた」という堀江さん。そのきっかけは、就職活動中に仕事と子育てを両立できなさそうだという理由で内定を断った大学の友人でした。なぜ両立できないと決めてしまい将来に不安を抱き、目の前の希望を諦めるのかと疑問に思った堀江さん。調べるうちに働きづらい社会の現実を知り、いつか自分で変えることを心に誓います。

就職活動に臨むにあたり、独立に向けた準備期間を過ごすために適切な会社の基準を決めました。その基準とは、①営業が担当できる、②モノではなく自分の努力で売ることが求められるサービス業、③女性管理職がいる、④3年で退職する予定を伝えても面白がってくれる、でした。ベンチャー企業に就職が決まり、新卒ながら人事部の立ち上げを担当、キャリアコンサルタントとして新卒採用や内定者・新入社員研修などを担当しました。

たくさんの方向の選択肢があるという思いがこもったArrowArrowのロゴマーク

2.訪問型病児保育を提供するNPO法人

「女性管理職を作る」という思いで採用や研修に尽力したものの、入社3ヶ月で3分の1が退職するというショッキングな体験をしたことをきっかけに、転職を考え始めます。転職先は「親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する」をミッションとし訪問型病児保育を立ち上げたばかりのNPO法人フローレンス。「綺麗事」と思われがちなミッションに真正面から取り組み実践していることに惹かれたそうです。当初はプロボノ(専門スキルを活かした社会貢献するボランティア)で関わるつもりでしたが、仕事で始発から終電まで仕事をする生活ではプロボノは無理だと判断。年収を大幅に減らすことを厭わず転職を決め、ワークライフバランスコンサルタントとして入社、2年半活躍しました。

3.独立

病児保育の利用者は子育てと仕事を両立すると決めた人が対象でした。フローレンスで仕事をするうちに「子育てと仕事を両立したいけれどできない人」を支援したいという気持ちを新たにした堀江さんは、2010年にNPO法人ArrowArrowを設立。長年の夢だった独立を果たします。

現在の仕事

多くの子育てママが参加するArrowArrowのイベント

仕事をしたいから結婚・育児を諦める、結婚・育児をしたいから仕事を諦めるという二者択一ではなく、仕事も子育ても両立したいと望む人が自分の進みたい道を進めるような社会にしたい。ArrowArrowは「子育てや介護等の理由に左右されず、仕事が当たり前に続けられる社会の創造」を目指して活動しています。

1.中小企業向け育児休業支援事業

優秀な社員が妊娠をきっかけに退職してしまうと経営に直結する中小企業を対象に、産前休業、産後休業、育児休業から復職までをトータルサポートするプログラム「産休!Thank you!」を提供しています。出産しても仕事を続けたい女性社員向けのキャリア講座も提供。受講者が次の受講者を呼んでくれる人気の講座になっています。同プログラムは『第11回女性起業家大賞』のスタートアップ部門(創業5年未満)にて審査委員会委員長賞(特別賞)を受賞しています。

2.ママインターン

ワークショップ形式で自信を取り戻すきっかけをつかむママインターン

妊娠や出産、子育て、介護などライフイベントをきっかけに仕事を辞めたけれど、もう一度社会とつながりを持ちたい、仕事をしてみたい方を対象に、学びと職場体験を通して自分らしい働き方を探すプログラム「ママインターン」を提供しています。

「結婚・出産・育児という経験を経たからこそ発揮できる価値やスキルが必ずあります。」と言う堀江さん。受講者からは「子育てと仕事の両立に向けて一歩踏み出すきっかけとなった」、「同じ想いを持つ仲間と出会えたことが嬉しい」と言う声が届いています。

公益財団法人日本財団のモデル事業としてスタートし、国分寺市との協働事業としては3期目。またJ.P.モルガとJPモルガン・チェース財団の支援を受けて各地域の団体と協力し、全国でママインターンプログラムを提供しています。

ワークシート付きの働き方デザイン本(1,000円)

3.地方自治体職員向けキャリア研修

地方自治体の女性職員向けに、働き続けることやキャリアを作ることを考え、共にキャリアを構築する研修を提供しています。

堀江さんはご自身も子育て中。堀江さんの体験を踏まえてライフイベントごとの課題や実施しておくと良いことをまとめた「働き方デザイン本」(http://arrowarrow.thebase.in/items/518282)も発売中です。

堀江さんの時間の有効利用ポイント

ライブ前の気合の入ったネイル

応援しているアイドルグループのライブや映画鑑賞が趣味の堀江さん。ご自身が好きということに加えて、仕事のヒントが見つかる大切なインプットの場でもあるそうです。頑張りどころを決めて仕事に臨むのが堀江さん流の仕事術。ライブや仕事のハイライトから逆算して仕事の優先順位を決め、日々の仕事を頑張るそうです。

堀江さんにとって働くとは?

お子さんとトークセッションに参加する堀江さん

自分の世代の葛藤を次の世代に残したくないという使命感

「仕事が好きでしょう、と言われることが多いですが、仕事の95%は地味なことの繰り返しで喜びは5%くらい。」という堀江さん。それでも仕事にエネルギーを注ぐ原動力は何かと聞くと、子育てや介護と仕事の両立が難しいことへの不条理感を自分の子どもの世代に残したくないという使命感、という答えが返ってきました。「2つで迷ったら辛い方を選ぶがマイルール」という堀江さん。乗り越えてきた試練の数だけ社会を変える力になっているようです。

 

これからの仕事について

これまで女性の働き方をサポートしてきた堀江さん。これからは、パートナーである男性も自分らしく生きられること、そして女性のライフイベントを自分事として考えられることをサポートしていきたいそうです。そのための強力なパートナーが夫、三木智有さん。「スキル」で紹介しているNPO法人tadaima!の代表です。この強力ユニットで仕事と家庭の両面から家族を丸ごとサポートする新サービスが近々始動します。

堀江さんのぶんハピ 国分寺歴 6年

クルミドコーヒー

国分寺に引っ越す前からクルミドコーヒーに通っていたという堀江さん。国分寺への引っ越しはクルミドコーヒーがある暮らしができることが決め手の一つだったそうです。「元気がないとき一人で、ゆっくり話したいときお酒を飲みながら夫婦で過ごします。クルミドコーヒーが自宅の近くにあることが大きな安心感になっています」

取材を終えて

堀江さんは、仕事も子育ても自分の趣味も心から楽しみ、エネルギッシュ。パワーの源は、「自分らしく生きること」ではないかと感じました。生き方に正しい答えはない、という堀江さん。何を選択しても私がこうしたいが選択の軸になっている社会を目指しています。それをご自身や同僚を含めた女性、パートナーの男性、会社経営者など全ての関係者に向けて実践している姿がとっても自然体で輝いて見えました。

取材:ぶんハピレポーター