ほんだ自然農園

無理なく人と生きものが共存し
循環する野菜づくりと暮らしを実践

本多さんの畑にて

国分寺で唯一、自然農を営む「ほんだ自然農園」の代表である本多知明さんをご紹介します。

本多家は、代々植木屋農家さんだったそうです。本多さんが自然農を始められたのは2011年頃からで、1冊の自然農の本を読んだことがきっかけでした。当初はなかなかうまくいかなかった栽培方法も試行錯誤を続け、5年ほど前から徐々に現在の形になっていったそうです。 (2023年現在)。

栽培方法には無農薬、自然農、有機栽培やオーガニックといろいろあります。分け方には所説あるので、一例としてご紹介します。

秋に収穫した野菜を使って収穫祭をした
こともあります(とっても美味しい!)

 

有機栽培とは

基本的に農薬や化学肥料を使用していないのですが、有機質肥料は使用し栽培した野菜のことで、日本では「有機JAS」の認定を受けた生産者のみ「有機栽培」「有機野菜」「オーガニック」という言葉を使うことができます。農薬の使用を認めている場合もあるようです。

無農薬とは

畑全体の様子

公的機関の認定はなく、化学農薬不使用で生物農薬使用のものや一切の農薬不使用のものなど、それらは野菜の総称であって栽培方法ではありません。

自然農とは

こちらも公的機関の認定はありません。一般的に一切の農薬と肥料を使用しない栽培方法のことを指しますが、それぞれ独自の栽培方法を行っているため、自然農と一言で言っても決められた方法がある訳ではないと本多さんがお話ししてくださいました。

鍬と鎌があれば大丈夫!

本多さんの自然農は「耕さない」、「肥料をあげない」、「雑草を抜かない」、「水をあげない」方法で、草や虫と仲良く、自然の力で野菜を育てていらっしゃいます。

畑体験で一番初めに本多さんとお会いした時、鎌と土(と種)があれば自然農は出来るとおっしゃっていました。耕さないことで生き物を殺さないようにし、土を保護することで元気な草が育ち、枯れた草を土に重ねておくことで夏の暑さで乾燥が続いていても草の下は湿っているため、本多さんの畑の土はフワッフワです。

鎌と土があればとおっしゃっていますが、本多さんが自然農に適した土づくりのためにやっていることを伺いました。

土づくりのために植えたクリムゾ ンクローバー

その一つに緑肥というものがあり、主としてマメ科の植物を肥料とするため種を蒔くという方法を行っているということでした。

自然農は手間がかかるのではないかと思ってしまいますが、土づくりができれば農薬や肥料を買ったり撒いたりする必要がなくなります。自然(虫や植物 による) に任せた土づくりができ、土がさらに良くなるという最高に良い循環になります。本多さんが「畑は外から持ち込まず、外へ持ち出さない」とおっしゃっていたのはとても納得できます。

土を乾燥させないよう、刈った草 や藁をかぶせます

 

子どもの頃から動物や昆虫が大好きだった本多さん。国分寺の中でも取り分け自然豊かな場所で育っ たからなのかもしれないとお話ししてくださいました。栽培方法も機械を使ったような工業的な作業ではなく、もともとあるものを生かし、無理のない形で栽培することを考えたそうです。農家さんにとって虫は天敵と考えがちですが、虫を敵にせず、環境を変えず共存できる自然農を選び、始められました。

環境に配慮された本多さんのお宅

 

ご自宅を数年前に立て替えた時も環境に配慮した工務店さんに依頼をされたそうです。山を大事にする考えのもと、素材がゴミにならないよう環境に配慮された家づくりです。お話しをうかがっていると、自然農だけでなく、本多さんの暮らし方そのものが「無理のない形で共存する」という言葉に集約されているような気がします。

暖炉用の薪

 

「したいことをしているだけ」と笑顔でお話ししてくださいましたが、「したいこと」を実現できる力強さを感じます。お話しを伺いながら、自然と共に暮らされている本多さんの周りはそのお人柄を表すようにいつもおだやかでゆっくりとした時間が流れているように感じました。

2023年3月を区切りに畑体験等のイベント企画はお断りし、当分の間は自然農に集中されるとのことでした。

暮らしの中に土と触れ合える時間があることで、種から育てた野菜の香りと味をより身近に感じられ、生きるパワーにつながっています。

そんな機会をくださった本多さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

 

本多智明さん奥様と一緒に

本多さんのぶんハピ 国分寺歴 50年

ありきたりではありますが、緑豊かなところは国分寺の特徴だと思います。
色々な面白いことをしている人が多く、人と人のつながりがあるのは魅力的です。

 

 

ほんだ自然農園さんのお野菜は以下の場所で販売されています。

・直売所(おたかの道沿い。おたカフェ近く)

 

取材:ぶんハピリポーター

 


国分寺の防災〜防災公園編〜

防災シリーズの最後は防災公園です。

国分寺市内の公園に防災設備をもつ防災公園があるのはご存じですか?

国分寺には2種類の防災公園があります。

1つは東京都が管理する都立防災公園※1の武蔵国分寺公園。もう1つは国分寺市が管理している市立公園です。

※1都立防災公園は「避難場所」や「活動拠点」に指定され、震災から市民の命を守る重要な場所となっています。都立公園には、公園58ヶ所が「避難場所」とされているほか、35ヶ所が「大規模救出・救助活動拠点」や 「ヘリコプター活動拠点」などに指定されています。 (都立公園協会HPより)

武蔵国分寺公園には、避難誘導灯、ソーラー照明灯、防災トイレ(マンホール型)、災害救援ベンダー※2が設置されています。

※2災害救援ベンダーは、災害・緊急事態発生による停電時に管理者の操作で商品を無料で提供する自動販売機

 

一方、国分寺市の市立防災公園は、7公園あります。

南町ひだまり公園(マンホールトイレ)

日吉町ポプラ公園(トイレスツール,収納ベンチ)

窪東公園(マンホールトイレ)

けやき公園(マンホールトイレ)

北町公園(かまどスツール)

高木町ふれあい公園(マンホールトイレ)

西町あおぞら公園(かまどベンチ)

 

公園の防災設備は普段は収納されているので、その存在に気付きにくいですが、実は公園内に表示されていることもあります。

マンホールトイレ(窪東公園)

公園内の貼り紙

マンホールトイレ(けやき公園)

 

防災トイレ設置写真(武蔵国分寺公園)

設置イメージ

トイレスツール(日吉町ポプラ公園)

収納ベンチ(日吉町ポプラ公園)

かまどベンチの使い方

1 ベンチの座る部分を外す

2 地面と同じ高さのコンクリ面に燃料を置く

3 壁面のでっぱりに金網を差し込む

4 火をおこし、鍋などを置いて使う

ベンチによって形や使い方は多少異なります。
外した部分は、テーブルとして使えます。

これらの設備を、使用するかどうかの判断・解錠について、市に問い合わせたところ、鍵を預かっている町内会や防災会の方が行い、自治会住民等と協力しながら設営します。なお、かまど利用の際、燃料やなべかまは、自治会や防災会、地域の方の持ち寄りで使用することになるそうです。

 

全国の都市公園では、公園内の防災設備を知ってもらうため、公園に遊びに来た人が気軽に楽しめるイベント「そなえパーク」を、毎年東日本大震災発生時期に合わせて開催しています。

都立武蔵国分寺公園では、今年度3月5日から13日までの9日間実施されました。園内の防災設備に隠されたワードを集める防災ワードラリーが行われ、4つ集めると先着で防災てぬぐいがもらえるという内容でした。

 

国分寺市では、市主催の防災公園を活用した避難訓練は実施していないそうですが、自主防災組織や自治会・町内会等による訓練を行っている地域があるそうです。

都立防災公園の詳細については東京都立公園協会のHPから防災公園総合ハンドブックをダウンロードできます。イラストや写真が満載で、とても分かりやすい1冊になっています。

また、やさしい日本語や外国語表記も選べるようになっています。
合わせて、ご活用下さい。

 

ぶんハピねっと10周年記念企画として防災を取り上げ、4回にわたって掲載しました。いかがでしたか?
私達も知らないことがたくさんありました。ここ数年いろいろなところで自然災害が起きています。
これらの記事を読んで、家族や職場で防災について話し合い、備えるきっかけにしていただけたら幸いです。

 

参考:東京都公園協会公式ホームページ 国分寺市公式ホームページ
マンホールトイレ設置写真提供 国分寺市総務部防災安全課まちづくり係

 

取材:CHEERS


国分寺の防災〜避難編〜

防災シリーズ 第3回のテーマは、避難です。

市内に立てられた避難場所の案内看板

避難について

避難と聞くとまずは避難所へとイメージされると思いますが、災害を受けた被害状況によって避難する場所が変わります。自宅に居て地震が起きた場合、まずは、家の近くにある公園など地区災害待避所へ避難。その後、危険度の大小によって地区防災センターへ更に避難し、家の災害状況によって自宅へ戻り在宅避難、または避難所で避難生活をする場合に分かれます。自宅のある地域で指定された避難所があるので調べておくと良いですね。外出時は、外出先の駅周辺の避難施設なども確認しておくとさらに安心です。

また、家族間で連絡方法や待ち合わせる場所などを事前に話し合っておくこともお勧めします。

市内の避難場所・避難所はこちらを参照ください。

※地区防災センターとは、避難場所、避難所、医療救護所、物資配布場所、情報伝達場所の機能を備えた地域の拠点のこと。市立小中学校、都立国分寺高校と東京経済大学が指定されている。

※避難場所は、災害時に安全を確保するために一時的に避難する場所で、各学校のグラウンドを指す。

※避難所は家屋などが被災した市民を一時的に受入保護する場所で、各学校の体育館と教室の一部を指す。

以下、災害が起きた際の大まかな流れです。

【避難の流れ】参考:国分寺市公式ホームページより

※要配慮者とは、高齢者、障がい者、乳幼児のことを指す。要配慮者の移動は、NPO法人国分寺ハンディキャップ運営委員会と国分寺市が提携している協定に基づいて移動手段を確保しています。

コロナ禍における避難の流れはこちらを参考にしてください。

国分寺市ではペットと共に避難はできますが、避難所内では別々になるそうです。また、ペットフードや猫のトイレ用品などは持参が必要です。環境省発行のパンフレット「ペットも守ろう!防災対策」を参照ください。

避難所に収容しきれない避難者への対応について市の防災課に伺ったところ、地区防災センター以外の公共施設を順次避難所として開放したり、近隣の自治体と連携して他市の避難所を利用可能にするなどの対応を行うとのことでした。また、小学校のグランド内に車中避難やテントを張れるスペースを確保しているそうです。

なお市内の公園は、他市からの応援、自衛隊の救援などで駆けつけた方の宿泊場所として考えられているため勝手にテントを張るのはNGです。

 

在宅避難

ライフラインが断たれたとしてもなんとか自宅で過ごせるのであれば、普段の生活場所で過ごせてプライベートが保たれる在宅避難をする方も多いと思います。ただ、心配なのは、支援物資や給水などの情報ですよね。これについても防災課で聞いてみました。

【情報の入手方法】

在宅避難者が情報入手する方法(給水車/支援物資のお知らせなど)

1)直接、近くの地区防災センターとなる小・中学校・国分寺高校・東経大、または地区本部にて入手。

2)防災無線の放送から入手。

3)国分寺市防災・防災ツイッターから入手。

4)FMたちかわ(4MHzから入手。

FMたちかわは、国分寺市と防災協定を締結しているのでラジオから情報を入手できます。

※FMたちかわは、国分寺市以外に立川市、昭島市、武蔵村山市、国立市、東大和市とも防災協定を締結しています。住んでいる場所によっては受信状況が悪いところもあるようです。カーラジオだと受信状況が良いとのことでした。

 

自治会について

市内では自治会のないところも多くなり、現在では自治会への加入世帯は全体の40%前後だそうです。(国分寺社会福祉協会資料より)

自治会などの防災会に加入している世帯は、自治会を通して情報や支援物資を受け取ることができますが、加入していない場合は、個人で近くの地区防災センター行くことになります。そのため災害時の備えとして自治会や町内会を新たに作っているところもあるようです。

自治会を作るのに必要な手続きは、特に決められた方法はなく地域の市民団体として申請をして作ることができます。詳しくは協働コミュニティ課のこちらへ。

自宅近くに自治会や町内会がある場合は、そちらに加入できます。近くの自治会の有無は、マップで探せます。自治会マップはこちらへ。

国分寺市の2022年2月1日現在の人口は、12万7769名、世帯にすると6万2967世帯です。東京都が平成24年4月に公表した被害想定によると市内の約58000人が避難行動をとり、避難所にくる市民は、38000人と想定されています。市内にある地区防災センターの避難所での受け入れ可能人数は、約18000人(3.3平方メートルに2人で算出。コロナ禍では4平方メートルに1人のため約7,500人)で避難希望者を全て受け入れるのはほぼ不可能な状況です。(参考:東京都のHP、国分寺市のHP)

そこで、避難の前にまず「普段の生活でできる備え」をまとめてみました。

 

避難の前に

【普段の生活でできること】

1)自宅内の防災:家具の固定・窓ガラスの飛散防止フィルム・キャビネットストッパー・ラジオ

2)外出時に持参したいもの:歩きやすい靴・大判ストール・リュックサック・保険証・お薬手帳・免許証・マタニティマーク・母子手帳・水筒・おやつ

3)寝室での防災

・頭の上から重たいもの等がおちてこないところで寝る。

・寝ているそばに避難用の靴を置く。

・めがねや携帯、杖、懐中電灯などは枕元に置く。

・寝室には割れにくい素材の小物を置く。

 

【災害時や避難に役立つアイテム】

・ライフライン
携帯充電器(手動や太陽光などで充電可能な物)・浄水ポット・カセットコンロ・冷感タオル・懐中電灯・ヘッドライト・テント・寝袋・大判のビニールシート

・トイレなど衛生用品

使い携帯用トイレ・消臭袋・消臭スプレー・アロマオイル・凝固剤・黒いビニール袋

・身分証明書・筆記具・メモ帳・家族の写真

・情報 市内のハザードマップ・ラジオ

・その他

大判のハンカチ・レジ袋・段ボール・新聞紙・防犯ブザーや笛・テント・寝袋・大判のビニールシート

 

【備蓄品】

備える⇄消費する⇄買い足す

普段使用している物を消費しながら備蓄するローリングストックがおすすめ。

1)食品・飲料

・3日分の食糧を目安に1週間分以上を見越して備える。

・食べ慣れた物、好きなおやつや飲み物も少し多めに買ってストックする。

2)生活用品

ラップ、ポリ袋、ゴミ袋(黒色もあると便利)などは避難所でも何通りにも使えるので便利。

3)衛生用品

トイレットペーパー・ティッシュペーパー・キッチンペーパー・ウェットティッシュ・石鹸・消毒スプレー・マスク・パンティライナー・生理用品、紙おむつなど

4)その他 ろうそく・電池・チャッカマン・ガスボンベ・ペットの餌など

以上、災害時の避難についての情報をお届けしました。災害というのはいつ起こるかがわからないのが最大の問題です。いつ起こっても慌てないように年に数回、レジャー感覚でガスや電気を一切使わずに備蓄品だけで過ごす日を作ってみるのも良いかもしれませんね。自治会については、今回の特集で改めて必要性を感じました。私の地域も自治会がなくなってしまったので、この機会に自治会について近隣の方たちと考えたいと思いました。

参考:国分寺市公式ホームページ、国分寺社会福祉協議会ホームページ、東京都ホームページ、東京都発行の冊子『東京くらし防災』

 

  • 東京都が発行する冊子『東京くらし防災』 普段の心構えなど女性目線で分かりやすくまとめられています。
  • 東京FMの『防災NAVI』サイト 都内の災害に関する必要な情報がまとまっています。

 

取材:CHEERS
  


国分寺の防災〜電気編〜

光公民館のソーラースタンド

光公民館のソーラースタンド

防災シリーズ、続く第二回は電気です。

エアコンや携帯電話の普及、便座にも電気が通っていないとびっくりするようになっている昨今、スイッチをおせば(最近では声をかけるだけでも)常にお湯でも音楽でも温風でもなんでも出るのが当たり前です。私が子どものころに比べ電力の供給も安定し、実際、停電の回数が減り、復旧も早くなっているようです。

しかし最近、広い範囲にわたって、長期に及ぶ停電の被害のニュースを聞くことが多くなっているように感じます。

2018年の北海道胆振東部大地震発生後のブラックアウトと呼ばれる全域停電、関東でも2019年台風15号上陸に伴う千葉県を中心とした17万戸以上の大規模停電、2021年7月の落雷が原因とみられる埼玉県西部の広範囲で起きた停電など記憶に新しいのではないでしょうか。

私自身、そうした大規模な停電というのは経験がありませんが、被害のただ中にいて、その状態が長引いて不安な時、まず必要なのはつながりと情報だと思います。

手放せないその手の中の情報ツール携帯電話、充電されたモバイルバッテリーをいつもカバンの中に用意している方も多いかもしれません。携帯に必要なのはほんの少しの電気です。しかし、そのほんの少しの電気が、無いとなったら本当に困ります。

国分寺市の公民館など市内5か所に、スマートフォンが充電できるソーラースタンドが設置されているのをご存知でしょうか。

国分寺市 くらしの情報「自立型ソーラースタンドを設置しました」

設置されている施設が開館されている時間は、誰でもいつでも利用できます。
試しに使ってみました。
場所は光公民館。日差しの強い6月のお昼過ぎ。

使用する携帯電話にあったケーブルが必要

モバイルバッテリーも充電できます

四方につなぎ目があり
一度に4台の充電が可能

充電している間は側を離れることができないため、大変日当たりの良いその場所で(ソーラー充電ですから)充電されるのを待つわけです。
暑さ対策や日焼け対策をして、暇をつぶせる何かを用意して(携帯を見ながらというわけにはいきません)できれば誰かと交代するなど工夫が必要です。
30分ほどのチャージで10パーセント充電できました(機種によって違いがあるかと思います)。10パーセントあると、誰かに連絡を取る、伝言を残すなど、大事に使えばいろいろ助かる事がありそうです。

 

ソーラー充電スタンドとは別に、市内以下の3か所にソーラー式外灯が設置されています。
国分寺駅北口駅前広場のバス入口、日吉町ポプラ公園、内藤さつき公園です。

国分寺駅北口駅前広場には風力・太陽光発電機も設置(普段は植栽の照明などに利用)マンホールトイレもあり、駅が帰宅困難者の一時避難所となることを想定して整備されていることがうかがえます。駅に一番近いエリアが普段はイベントスペースに使われており、そのスペースを囲むように四隅にソーラー式外灯が設置されています。

 北口駅前広場

 

日吉町ポプラ公園と、内藤さつき公園には井戸があります。
井戸の近くにソーラー式外灯が設置されていて停電時に灯りが灯るのは、周辺に住む人にとって、大変便利で心強いのではと思いました。
公園のソーラー式外灯には、非常用に使用できるコンセントもついています。

  内藤さつき公園

 

ソーラー式外灯に関しては、今後、設置個所が増える予定はないとのことでしたが、先日の防災シリーズ第一回で紹介された「むかしの井戸」のそばに、少しずつでも増えていくと良いのではないかと感じました。

国分寺市の避難所などにある防災備蓄倉庫には発電機の用意があり、避難所生活に必要な電力を供給するために使用されます。投光器による照明の確保が主な目的だそうです。

また、市役所、市民スポーツセンター、ひかりプラザ、清掃センター、いずみプラザは自家発電を有しているとのこと。灯りのともるところが、地域のサポートの拠点になりそうです。

 

大きな地震や大規模な停電の際に、避難所などにスマートフォンの充電ステーションが設置されているのをニュースで見たことがありました。自治体が主導しての設置なのか、それとも電力会社が?と疑問に思い、問い合わせました。

ドラマなどで見たことのある電源車が駆けつけることを想像していましたが、そういう大きな電気を供給できる車体は、一度に大きな電気が必要な大規模な施設の応援に使われ、きめ細やかなサポートには電気自動車を非常用電源として利用するようになっているということです。一部の自治体では、平時から使用している公用車の一部を電気自動車にして、いざという時に対応できるようにしていこうという動きもあります。

現在、国分寺市では、市の所有となっている公用車がおおよそ10台あり、そのうち2台が電気自動車です。それでは足りないのでは?と思いましたが、自治体が非常時に合わせて、常に必要十分なだけの電気自動車を所有するというのは現実的ではありません。

先の、千葉の広範囲に及ぶ停電の時には、自治体と電力会社が連携して日産自動車に協力を仰ぎ、3桁にのぼる台数の電気自動車を用意できたという心強い話を聞くことができました。

災害時、電力会社がまず自治体と連携をとって行うのは、おおもとの復旧や、生命維持のための施設の復旧です。どこに被害があり、どういう作業やサポートが必要か、自治体が地域から直接連絡を受け、それを電力会社に要請します。

電力会社は、復旧作業はもとより、作業に必要な道路の障害物の除去作業、そして病院や水道施設(電気がなければポンプも動かなくなります)、携帯電話の基地局などが自家発電でまかなえない時には、電源車の派遣の実施なども行います。

「送電が停止することで、あらゆるライフラインが影響を受ける」という事に、普段はなかなか思い至りませんでした。「おおもとの復旧を急ぐことが、電気を使う一人一人のお客様のサポートにつながる」という東京電力パワーグリッド株式会社の方の言葉が印象的でした。

行政や、各企業(ライフライン、流通、小売店、携帯電話会社など)のサポートが、ひとりひとりのもとに届くまで、それぞれが工夫をして備える事の必要性を改めて感じました。

最後に、今回記事を書くにあたって、携帯電話やパソコンの検索機能の便利さをあらためてありがたく感じました。
しかしまた、重要な情報は紙に出すなどして、手に取りやすいところに保管しておいた方が良いなとも思いました。
電気が無ければ、または故障していたら、黒い画面は何も教えてくれません。
一通りの防災関連の事が書かれた本と、避難場所や通勤ルート、住んでいる場所の周辺の地図、そして家族の写真を手元に用意しておくと良いと思います。

 

以下、防災時参考にできる情報をご紹介します。
平時にも一度読んでおくと頭のどこかに残って、情報にたどり着きやすいと思います。

◆停電した時の注意をわかりやすくまとめたサイトがこちら

東京電力ホールディングス株式会社 災害にそなえて

◆国分寺市の公式サイトに防災を学ぶためのすごろくが掲載されていました。
少し大きなお子さんとご一緒に
知りたいことを拾い読みにする索引としても使えます

国分寺市 防災すごろく特設サイト(令和2年度総合防災訓練)

◆発生した停電の現在の状況がわかるサイト

東京電力パワーグリッド株式会社

 

取材:CHEERS

  

 

施設情報

【ソーラースタンド設置個所】

市民スポーツセンター  小平市上水本町6-22-1

本多公民館       国分寺市本多1-7-1

光公民館        国分寺市光町3-13-19

もとまち公民館     国分寺市東元町2-3-13

並木公民館       国分寺市並木町2-12-3

各施設入口付近

 

【ソーラー式外灯設置個所】

国分寺駅北口駅前広場  国分寺市本町3丁目2−17

内藤さつき公園     国分寺市内藤1丁目

日吉町ポプラ公園    国分寺市日吉町4丁目2

 

参考資料 国分寺市公式サイト (株)東京電力ホールディングス (株)東京電力パワーグリッド 電気事業連合会  (株)NISSAN自動車(EV)総合情報サイト

 


国分寺の防災〜水編〜

武蔵国分寺公園の井戸は、こもれび広場内に

地域ポータルサイト『ぶんハピねっと』は、“国分寺で子育ても暮らしもHAPPYに!”を目指して、私たち任意団体CHEERS(同年4月発足)によって、201110月に運営をスタートしました。

ちょうど、サイト名やコンテンツなどの準備中だった時に、東日本大震災が起きました。まだ、メンバーの子どもたちも小学生でした。余震や放射能、計画停電などの心配事を共有し合ったことを覚えています。 そこで、10年目を節目に「国分寺の防災」をテーマに特集することにしました。

防災シリーズ第一回は、「水」編です。

自然災害などでライフラインがストップした時、まっ先に困るのが「水」です。体の60〜70%は水でできていて、人は1日2~3Lの飲料水が必要と言われています(食べ物も含む)。生活用水としては1日300Lほど使用するとされています。そこで、国分寺の防災時の「水」について調べてみました。

北町公園井戸 井戸は水を循環させた方が良いもの。どんどん水遊びして下さいね。

私が初めて「国分寺の水」について調べたのは、10年前の震災がきっかけです。水源はどこなのか、浄水場はどこか、近くの井戸や市内の給水所はどのように使えるのか、などです。

2011年当時、市内13箇所に防災用の井戸があることがわかりました。水道水は、多摩湖狭山湖玉川上水荒川(秋ヶ瀬取水堰)の4ヶ所を主体とした東村山浄水場より水の供給を受け、市内の浄水所で深層地下水に塩素消毒を加えて配水されていると知りました。国分寺市民は深層地下水の多い、おいしいお水を飲めていると思っていました。

国分寺北町給水ステーション

今回改めて調べたところ、残念な事に都内のいくつかの地点の地下水に、有機フッ素化合物が基準より多く含まれていることがわかり、2019年より国分寺市の水道水には地下水は使われなくなりました。現在は東村山浄水場からの配水を利用している事がわかりました

13箇所だった防災井戸は23箇所になり、定期的に管理されています。生活用水として活用できます。(井戸水は飲用できません)

災害時は市内2箇所ある給水ステーションより、飲料水が配給されるそうです。もしもの時のために、ご自宅の近くの給水所、井戸を確認しておきましょう。

「カメ井戸」は西町カメ公園内に。
探し求めてぐるぐる迷いました!

また、非常時に給水がすぐに始まるとはかぎりません。3L×家族人数×3日分以上(7日分とも言われています)の飲料水は備蓄しておきましょう。その際ローリングストック、つまり普段より使いながら補充してゆく方法がお勧め。2Lボトルの水を用意しようと考えますが、500mlボトルも使いやすく、循環しやすいというアイデアがあります。水道水を保管する場合は、清潔な容器にボトルの口元までいっぱいに水を入れて下さい。3日で交換、浄水器を通す場合は1日で交換すると良いそうです。我が家では、栄養価が高く常温保存ができ、料理にも使える豆乳やトマト、野菜ジュースなども多めに常備するようにしています。

お風呂などに水をためておく場合、小学生位以下のお子さんがいるご家庭では、事故予防にチャイルドロックなどを利用しましょう。

今回、自転車で国分寺市内のあちこちの井戸を探してまわりました。サイクリングは、宝探しのようで楽しかったです。初めて通る道に意外に苦戦しながらも、国分寺にこんな所があったのかと、近場でもたくさんの発見がありました。

興味がありましたら、ぜひお子さんと一緒に探してみて下さい。

 

取材:CHEERS

 

施設情報

覚えておこう!災害時給水ステーション

東恋ケ窪配水所東恋ケ窪2-5-8

国分寺北町給水所北町4-1-5

 

【むかしの井戸一覧】

(1)なかよし井戸    日吉町3-10-3

(2)もみじ井戸     光町1-15-4

(3)つつじ井戸     西町2-22-40

(4)カメ井戸      西町4-25-1

(5)90度井戸      富士本3-19-11

(6)ぐるぐる井戸    新町2-2-69

(7)室内プール前井戸  西恋ヶ窪3-33-3

(8)たきくぼ井戸    泉町3-5-18

(9)ポプラ井戸     日吉町4-2-41

(10)内藤橋井戸    内藤1-28-20

(11)かしの木井戸  東恋ヶ窪6-17-48

(12)けやき井戸

小平市上水本町6-22-2

(13)わかば井戸    本多5-20-9

(14)武蔵国分寺井戸  西元町1-10

(15)高木井戸     高木町3-25-60

(16)北町公園井戸   北町5-24

(17)戸倉井戸(戸倉神社内)  戸倉4-34

(18)ふれあい井戸

(国立団地協議会共有地内) 西町2-21-5

(19)戸倉公園井戸   戸倉4-8-4

(20)南町ひだまり公園井戸  南町1-14-6

(21)東元町一丁目井戸 東元町1-28-3

(22)東恋ヶ窪でんしゃ公園井戸

東恋ヶ窪1-280-5

(23)さつき井戸    内藤1-20-19

参考資料 東京都水道局 朝日デジタル 東京都防災、国分寺市サイトなど