6月23日(土曜日)、子ども家庭支援センターで行われた講習会「家庭で学ぶ乳幼児の救急対応〜家庭の中の安全確認や、乳幼児の救急対応を学ぶ〜」を見学してきました。
「孫を預かった時のために」と参加された年配の方、ご夫婦で参加された方などがいらっしゃいました。
講師には国分寺消防署から3名の隊員がいらしていました。以下、講習会の様子をお伝えします。
「2010年に心肺蘇生法のガイドライン※1 が変わりました。旧来の手順にあった“最初の気道確保”と“最初の人工呼吸2回”が省略され、“心臓マッサージ”をいち早く行える様になりました。救急車が迅速に到着できればよいのですが、残念ながら、昨年の出動回数は国分寺市だけでも年間3000回を超えている為、到着までに時間がかかってしまうことがあります。大切な人を守るため、家庭でも実行できるように覚えて帰ってください。
また、救急車を呼んだ方がいいか迷ったら、24時間対応の救急相談センターへ電話して下さい。(医療機関案内も受けられます)」という、細谷隊員のお話しで講習会が始まりました。
子どもの死因では「不慮の事故」が多く、「窒息」「交通事故」「水の事故」と続くそうです。
家庭で出来る対策としては、
1. トイレットペーパーの芯を通る大きさの物は、乳幼児の口に入る大きさなので、誤って飲み込まないよう子ども手の届くところに置かないようにする。
2. 自転車に乗る際、子どもの自転車用ヘルメットの着用(補助イス)、車を運転する際は、チャイルドシートの着用を習慣にする。
3. プールや水辺などでは、目を離さない事が大前提ですが、家庭のお風呂での事故も多い。たとえ少ない水位の水でも、事故が起こりえるので注意が必要。
※1 新ガイドラインでは、旧来の手順にあった「最初の気道確保」と「最初の人工呼吸2回」を省略。意識がなく、呼吸が正常でなければ、直ちに胸骨圧迫と人工呼吸を繰り返す−と変更になりました。人工呼吸ができないか、ためらわれる場合は、胸骨圧迫だけでもよいと見直されています。
次に、「AED(自動体外式除細動器)を用いた応急手当の要領」※2 に沿って応急救護、異物除去方法、回復体位の詳しい説明を受けました。
そして、いよいよ練習です。
練習は1人ずつ順に、心肺蘇生練習マネキンを使いながら、習った手順どおりに進めます。
「意識を確認する」ときは“肩を叩いて、声をかける”のですが、思わず“体を揺さぶってしまう”※3 ハプニングも有り、実際に練習してみる事の大切さを皆で共有しました。
参加者から、「出血のある場合はどうしたらよいか?」「AEDはどんな所に有りますか?」といった質問が次々に出てきて、講師の方がその場で答えてくれていました。
「AEDを実際に使ってみる事によって、もしもの時のシミュレーションができた」、「実際に心肺蘇生の練習をしながら、その場でいろいろな質問ができて良かった」、「新ガイドラインに沿った方法を学べて良かった」などの声が、参加者から聞かれました。
講習会は、終止和やかムードながら、皆さん予定時間いっぱいまで積極的に質問するなど、いざという時の救急対応への関心の高さが伺われました。
レポートした内容以外にも、小さいお子さんのいる家庭はもちろん、一般家庭で知っていて欲しいことがたくさんあり、全てお伝え出来ないのが残念です。
今回、見学をさせていただいて、私も大変勉強になりました。
市内で、このような講習会がもっと頻繁に開催できるとよいと感じました。
※2 国分寺消防署より許可を得て掲載しています。
※3 外傷がある場合には、頸椎損傷を悪化させる可能性があるので、身体を強く揺さぶらない。
取材:CHEERS