施設 カフェといろいろびより&びよりbis(ビス)

自分の「やりたい!」が叶えられる場所

カフェ奥にあるびよりbis
中央の引き扉がパーテーション

国分寺駅南口から徒歩5分に位置するマンション「プラウド国分寺」の1階にある「カフェといろいろびより」は、2016年11月にコミュニティカフェとしてオープン。カフェの隣には南町ひだまり公園があり、たくさんの光が差し込む気持ちの良い場所です。

店内の奥、パーテーションで区切られるスペース「びよりbis」は、自己実現や新しい働き方ができる場として利用されています。びよりbisには、約10名が利用できるテーブルがあり、ホワイトボード、スクリーン、プロジェクターを完備しているので、講座やセミナーなどの開催が可能です。

びよりbisはフラットなスペースとしても利用可能

カフェを運営するNPO法人ツナグバヅクリ、代表の鎌田菜穂子さんに利用内容について伺ったところ「公序良俗に反しないことと、政治・宗教に関係しなければ基本的に何でもOKです。

教育資金セミナーやアンガーマネージメントのような座学からベビーマッサージ、ベビーヨガなど子連れで参加できる企画も。カフェ全体を使って映画上映やコンサートなどにも使用できます。店名に『いろいろびより』とあるように、使いたい人に合わせて使い方もいろいろ自由自在です」とのことでした。

日替わり店主として準備中の
「養生カフェaiii」のお二人

ここでは、自己実現の場所としてびよりbis以外に下記の内容でも利用できます。
・ 日替わり店主 ランチやスイーツなどの飲食の提供
・ まいにちマルシェ 手作り品(お菓子類・アクセサリーなど)の販売

※日替わり店主として食事を提供する場合は、食品衛生管理者の有資格者であること。
食品の委託販売は、菓子製造許可を持っていることが条件になります。

 

利用するには?

カウンターに並ぶ毎日マルシェのスイーツ類

1.利用説明会に参加し、会員登録(年会費1000円)が必要

びより(びよりbis、日替わり店主、毎日マルシェなど)を利用して何か初めたい方は、毎月2回ほど開催される利用説明会に参加し、利用条件などの説明を聞いた上で、びよりの会員登録を行い、利用開始となります。(説明会の参加は無料ですが、カフェでドリンクオーダーが必要)初めて何かをスタートする方や集客などにいろいろと不安な方には、2回に分けて企画のまとめ方や告知の方法などを学ぶ勉強会(有料)を行っているそうです。

 

2.利用時間
びよりbisの利用時間は定休日(毎週木曜と祝日)と祝日以外の9:30〜17:30
※ランチタイム(11:30〜14:30)以外であればカフェスペース全体の利用も可能

まいにちマルシェの手作り品の棚

 

3.利用料金
利用料金については、びよりbisの使用料:30分1000円〜、誕生パーティーなど非営利の利用は30分500円〜となりますが、とくにセミナーやワークショップなどの利用には、スタートを支援するための制度などもあるので、詳しくは説明会でお問い合わせください。
まいにちマルシェの委託販売手数料:売上金額の25%
日替わり店主の利用料:売上金額の30%

※利用料金等は平成29年11月現在の金額です。今後、変更する場合がありますので、予めご了承ください。

 

誰におすすめ?

資格やスキルを生かせる場所を捜している方や自分の得意なことで何かを始めたい方におすすめです。「本格的にお店を開いたり、教室を構えたりせずに、小さくても仕事にしていきたいという方にとって、ここは使い勝手がいい場所です。」(鎌田さん)

 

なぜここを利用するといいの?

代表の鎌田さんをはじめ、副理事、岩嶋寿子さんと坂上順子さん、3人の経験豊富な人材がびよりの運営を行っていること。
鎌田さんは、地域のコミュニティづくりに長く関わってきた方。カフェといろいろびよりに先駆けて、千歳烏山のコミュニティカフェ「ななつのこ」を運営し、今まで培ってきたノウハウやネットワークをお持ちです。また、岩嶋さんは、キャリアの仕事を始めて10年目のベテランで、平成28年度から国家資格となったキャリアコンサルタントです。セミナーや講座の講師としても活躍中。坂上さんは、武蔵野美術大学(元空間デザイン科)卒。グラフィックデザイナーとしてカフェといろいろびよりのロゴデザインやホームページ、チラシのデザインを手掛けています。それぞれが得意分野で利用者を支援してくれる心強さがあります。利用登録者向けに勉強会(有料)を行うなどの支援体制もあり、場所を提供する以外のサポートが魅力です。

 

利用を考えている方へ

「集客は、基本は、主催する方に行っていただきますが、びよりのHPやfacebookで告知し、カフェでのチラシの配布などでも広報のお手伝いをします。チラシの作成(有料)についてもお気軽にお問い合わせ下さい。講座は、参加者が1人でも集まったら、イベントを開催し、続けていくことが大事です。0にはいくらかけ算しても0のままですが、1からは大きく広がります。私たちは、利用者のみなさんの思いをどうすれば実現できるのかを一緒に考え、成長していきたいと思っています。まずは利用説明会にお越しください。」(鎌田さん)

向かって左より岩嶋寿子さん、鎌田菜穂子さん、坂上順子さん

鎌田さんのぶんハピごはん
手前みそですが、びよりの日替わり店主さんが作るご飯。
岩嶋さんのぶんハピ
気分転換したい時によく行くクルミドコーヒーのコーヒーとクルミドケーキ
坂上さんのぶんハピごはん
乳製品全般が元気の素ですが、一つあげるなら手作りヨーグルト

 

もっと知りたい方へ

利用説明会の日時、イベントやワークショップの利用例や、予約状況などの詳しい情報は「カフェといろいろびより」のHP、facebookをご覧ください。
https://vieyori.jimdo.com
https://www.facebook.com/vieyori/

 

取材を終えて

「やりたいことが気軽に始められる場所があり、鎌田さんをはじめとした気さくなスタッフの方々が後押しをしてくれる」そう聞いただけで、もしかしたら私も何か始められるかも、という気持ちが沸いてきました。子育て中で働けない、と諦めている方にとってもキャリアを見直したり、自分の新しい可能性を見出せるきっかけになる場所だと思いました。

 

取材:ぶんハピレポーター


スキル  家事シェア NPO法人tadaima! 三木智有さん

家族みんなで居心地よい家をつくる
NPO法人 tadaima! 三木智有さん

女性目線で語られることの多い家事・育児。NPO法人 tadaima!は男性目線で家庭のあり方を考え、活動をしています。家事や育児を家族で「シェア」するという考え方の中には、たくさんのヒントがありそう。代表の三木さんに、三つのスキルを教えていただきました。

三木さんのプロフィール

tadaima! 代表理事の三木智有さん

NPO法人tadaima!代表理事。日本で唯一の家事シェア研究家。子育て家庭のモヨウ替えコンサルタント。
フリーでインテリアコーディネーターの仕事を請け負うかたわら、男性の暮らし方を変えていきたいとNPO法人tadaima!を設立。

 

 

tadaimaに学ぶスキル

★1・「家族の家事のボーダーラインを決める」

(イメージ)

「家事シェア」は、夫が妻の家事を「手伝う」のではなく、それぞれが家事を分担して受け持つという考え方。しかし、メインで家事を回す人の求めるクオリティと、それ以外の人のクオリティにズレがあることで生じるストレスが「家事シェア」の導入を難しくするのだと三木さんはいいます。

「(家事シェアを妨げる)ママ側の要因として多いのは、家事へのこだわりがあるために、人に委ねられないということです。パパのスキルがママの求めるところに届かないことが多く、ママのこだわりを再現できない。一方で、パパ側はそこまでのクオリティである必要を感じていないため、やりたくない気持ちと折り合いをつけるしかない、という発想になってしまいます」

パパ家事の学校の参加者と記念撮影

こうして双方にストレスが生まれる状況を少しでも改善するには、家事について家族のボーダーラインを決めるのがポイント。こだわりを強く持つ人が求めるクオリティのおよそ6割から7割に目標を設定しておいて、残りの部分はこだわりがある人が埋める、という考え方です。

例えば、洗濯ものは洗ったら乾燥機から出して、それぞれのかごに入れる。それを畳んでしまうのは、「きれい」にこだわりのある人。他の人はとにかく、かごに分けて入れるところまではする、という塩梅です。

「パパが必要を感じないからといって、その意識を変えようとは思わない方がいい。無理ですから。でも、仕組みを変えることはできます」という三木さんの言葉に、思わず深く頷いてしまいました。

★2・「それぞれが自己管理できるスペースを作る!」

モヨウ替えではじっくり話します(左が三木さん)

子どもが生まれるタイミングが大きなチャンスだという、モヨウ替え。以前は女性がメインで相談に来ることが多かったそうですが、「家族が住む場所は家族で考えたほうがよい」ということで「夫婦割り」を導入。今では9割が夫婦で相談に訪れるといいます。

「子どもが生まれるときならば、子どものスペースはどこ? という話しになります。パパもその場にいれば、『じゃあ、パパのスペースは?』 という話にもなる(笑)。パパの意見が反映され、自分のスペースができると家事をする側の気持ちがわかるようになります。互いに家庭のことについて共感できるようになると、家事シェア率も高まる、というサイクルも生まれますよ」(三木さん)

★3・「家事を渡す側のメンタリティが重要!」

tadaima! キッズ家事プロジェクト(HPより)

家事シェアをするのは夫婦だけではありません。 子どもだって、成長に合わせた家事シェアができるのです。「家事シェア」というとおり、子どもが自分の担う家事を自分のものとして認識するというのが、人の仕事を助ける「お手伝い」とは違う点。

「親がする家事を『ちょっと手伝って』とやってもらうのではなく、自分のものとしてやってもらう。その場合、親がどう見守るかがキーで、家事を引き渡す側のメンタリティが非常に重要になります」と三木さん。

時間の制約上、親がやってしまった方がよいことや、全部は任せられない時などもありますが、その時にもあくまで「今回はママが手伝うけれど、本来はあなたの仕事だ」という意識を忘れないことが大切なのだそう。

(イメージ)

実際、三木さんのご家庭でもお子さんは自分の家事を受け持っているのだとか。親も「これは親の仕事のお手伝いなのか、子どもの仕事なのか」をブレずに区分けして渡すのだそうです。

キッズ家事プロジェクトでは「いろいろな家事を経験させる機会を、家庭の中でどれだけ増やせるか」を考えるために、親からの声がけやサポートの仕方をはじめ、子どもが楽しく家事を学ぶためのツールの開発などもしています。

誰におすすめ?

tadaima! のスキルは全てのご家族に役立つものですが、これから子どもが生まれるご家庭、小さいお子さんがいるご家庭は、仕組みを整えるチャンス。特におススメです。

このスキルを持つといいこと

家族一人ひとりが役割を持ち、コミュニケーションを取りながら居心地のいい場所をみんなで作る、という家庭の在り方が生まれます。

「よく言うのが、『ママには負担と不満がある』。負担については、家事代行やサポートサービスなども増えてきているので、そこに委ねてもいい。でも、不満(不公平感)を癒せるのはパパ。ですから、コミュニケーションは常に取っておくことが肝心です。『私しかできない』と思わずに家族で一緒にやっていくことが大切ではないでしょうか」(三木さん)

もっと知りたい方へ

tadaima!の活動やノウハウは様々なメディアで紹介されています。講座やイベントの開催、実際に各ご家庭に伺ってのアドバイスも行っているそう。詳しい情報は、tadaima!のHPをご覧ください。

tadaima! http://npotadaima.com/

取材を終えて

家庭の話を男性から聞く、ということ自体が新鮮でした。でもよく考えれば、みんなの居場所である家庭のことを家族それぞれの目線で考えることって、とても大切です。家事の分担というと「そっちがずるい」「こっちが多い」という押し付け合いになりがちですが、三木さんのお話しは感情的な部分も理解しつつ、とても公正で理にかなったものなので、スッと胸に入ってきました。tadaima! の活動はどれも「ありそうでなかった発想」で刺激的です。今後も続けて見ていきたいと思いました。

 

取材:ぶんハピレポーター


スキル 時短料理『発酵家族』青木光左代さん

段取り上手で心の余裕を生み出す 『発酵家族』青木光左代さん

子育てや家事に忙しい毎日のご飯作り。今日は外食で楽がしたいな、誰か作ってくれないかな、と思うこともきっと多くの方にはあるはず。「発酵家族」として活躍する光左代(みさよ)さんの段取り術を知ると、手作り料理を30分で数品作れてしまい、ついでに翌日の料理の仕込みもでき、洗い物も少ない魔法のような毎日が訪れます。

光左代さんのプロフィール

発酵食品を使った出張料理教室「発酵家族」を開催する元研究員。3児の母。カフェといろいろびよりにて発酵レッスン・日替わりカフェを定期開催中。

光左代さんのスキルとは?

光左代さん流の時短料理の極意は、発酵食品を使うことと工夫満載の段取りです。

青木光左代さん〜手作りの米粉のオートミールクッキーとともに

1.発酵食品を使って時短
パン、ぬか漬け、納豆、ヨーグルト、甘酒、塩麹、鰹節、味噌、醤油、日本酒、酢。すべて発酵食品です。発酵食品が健康的であることはご存じの方も多いと思いますが、なぜ体にいいのでしょうか?
答えは、「微生物の力」。
微生物が繁殖する際にできる酵素によって、消化吸収がしやすくなります。三大消化酵素といわれる、アミラーゼ(デンプンの消化酵素)、プロテアーゼ(たんぱく質の分解酵素)、リバーゼ(脂肪の分解酵素)が発生します。そして、アミラーゼは糖に分解されて甘みに、プロテアーゼはアミノ酸に分解されてうま味に、リバーゼは脂肪を分解して脂っこさがなくなります。発酵食品は、美味しさの素でもあるのです。

鶏ハムときゅうりの和え物

光左代さんは東京農業大学醸造科卒、微生物の力の利用方法を学びました。発酵食品には短時間でお肉を柔らかくする、味に深みを出す力があることに着目して発酵食品が持つ微生物の力を普段の料理に徹底的に活用する方法を確立。発酵食品を日常に取り入れることで、健康的で美味しい料理を「手早く」作る調理法をレッスンで教えています。

例えば人気のレシピの一つ、甘酒塩麹鶏ハム。
前夜か朝に鶏の胸肉を甘酒と塩麹とタッパーの中で混ぜておく。調理の時間になったら、レンジでタッパーのまま6分加熱でできあがりです。
冷めたら手で裂いて和え物やサラダ。サンドイッチの具、温野菜と混ぜればナムルになります。生野菜と一緒にライスペーパーで巻けば生春巻きに。1回の調理で何品にもなるので、晩ご飯のために甘酒塩麹鶏ハムを作っておくと翌日の昼ご飯の準備にもなり、一石二鳥の時短になります。

2.工夫された段取りで時短

献立例 こねないパン、マッシュルームの塩麹アヒージョ、オーブンミートボール、焼きナス

レッスンでは献立だけでなく調理の過程そのものを工夫すればいかに時短になるかも学ぶことができます。

● 調味料と調理器具は最小限にする
キッチンばさみをフル活用します。葉物は、沸騰させた鍋の上からそのままザクザク切り落として茹でます。まな板で切り、ボールに入れる手間を省き、まな板、包丁、ボールの洗い物がなくなります。

● オーブンレンジを時短ツールとして活用する
オーブンレンジを使うと主菜と一緒におかずをつくる事ができるので、時短になります。例えばこねないパン、鶏のもも肉甘酒味噌づけ焼き、季節のグリル野菜の3品が、250℃で15分加熱するだけで一度にできあがります。

オーブンレンジは、調理だけでなく他にも活用します。加熱している間に、使ったタッパーやホーロー容器を洗い、オーブンの上に置くと(変形しないようにホーローやお鍋を下に)乾くので、洗い物も終わり。ついでに、ホーロー容器に漂白剤(酸素系がオススメ)とふきんやスタイなどを入れておき、調理が終わった後のオーブンレンジに入れると、余熱で除菌消毒もできます。
●調理の流れを俯瞰するフローチャート
レッスンでは、レシピに加えてその日の献立のフローチャート(調理の流れ図)をもらえます。光左代さんは、元は薬品実験を行う研究員。条件が異なるパターンの実験を同時並行で行うことに長けているので調理にもそのスキルを生かしています。フローチャートには、複数の料理を同時並行で手早く作れる段取りが書かれています。

一例が上のフローチャート。30分で下記の5品ができあがります。

・こねないパン
・甘酒塩麹鶏ハム(昼ご飯。こねないパンでサンドイッチに)
・甘酒肉味噌そぼろと春雨のスープ(昼ご飯)
・厚揚げと玉ねぎのトマト味噌煮(夜ご飯)
・彩野菜と鮭の塩麹オイル蒸し(夜ご飯)

昼ご飯と夜ご飯のおかずは終わり。夜はご飯を炊くだけ。たくさん作っておけば、こねないパンは翌日の朝ごはんに、甘酒塩麹鶏ハムは生春巻きとして翌日の昼ご飯になります。

誰におすすめ?

子育て中のお母さんはもちろん、共働きなどで調理をするお父さん、忙しいけど手作りの料理を作りたいと思っている全ての方におすすめです。光左代さんの調理方法は「計算された手抜き」。料理が得意・家族を驚かせてみたいお父さんにはチャンスです!

このスキルを持つといいこと

一日は誰にでも24時間。何かをしようと思うと何かを諦める、と思いがちですが、光左代さんの段取り術を知ると、時間が生まれます。調理がサクサク進むからイライラせず、子どもと一緒に過ごす心の余裕が生まれ、子どもにピーラーで野菜の皮むきなどお手伝いをしてもらいながら楽しく過ごせます。あなたに笑顔を、家族に幸せをもたらすことでしょう。

もっと知りたい方へ

発酵家族のレッスン風景

光左代さんのスキルを体験・学びたい方は是非レッスンを受けてみてください。みんなで受けるレッスンと自宅で受けるプライベートレッスンがあります。レッスンスケジュールや光左代さんのブログは発酵家族のホームページをご覧ください。

発酵家族 http://epoch-hakko.net/

光左代さんの料理を味わいたい方は、日替わり店主を勤めるカフェといろいろびよりの発酵家族の日(金曜隔週)に足を運んでみてください。

カフェといろいろびよりhttps://vieyori.jimdo.com

取材を終えて

光左代さんのレッスンを受けると、あまりにあっけなく調理がおわるのでびっくりします。働きながら二人の子育て中で、朝のうちに朝食と夕食を作っている私にとって光左代さんの一粒で二度どころか何度でも美味しい調理法は心からありがたく、何より自分に自信と心の余裕が生まれました。百聞は一見にしかず、ぜひレッスンを受けて実感してみて下さい。

 

取材:ぶんハピレポーター

 


石川理麻さん(フリーライター・エディター)

地元のカフェスタッフ、スクール講師の顔をもち
多摩を中心に町と関わり活動するライター

「はたらく」ページでご紹介するお一人目は、ぶんハピねっとを立ち上げる際に多くのアドバイスをいただいたフリーライター・エディターの石川理麻さんです。小柄だけれどいつもパワフルに多方面で働く石川さんにじっくりお話しを伺いました。

 

 

今までの仕事

新卒で新聞社のグループ会社に勤務。新聞社主催のイベントを企画・運営する部署で広報(チラシ・ポスター・チケットや告知記事の制作)や、会場スタッフの手配から当日の運営までイベントに関わる全ての業務に携わる。アウトドアイベントでは海や山へ参加者を引率する添乗スタッフを経験するなど、修行の日々が後々の仕事にも生かされることに。

入社6年後、異動を機に「編集部で働く」という夢を叶えるため転職。
取材や原稿執筆だけでなく編集作業や写真撮影まで行うライター兼編集者として働く。記事広告を多く制作したことで、コミュニケーション力の大切さやアイデアで人を動かし課題を解決することのやりがい、「伝えたいこと」や「伝え方」を考える楽しさを覚える。
夢は叶ったものの、毎日終電まで働き、家と職場を往復するだけの生活に疑問を持ち退職。会社員生活の最後に編集長として管理職を経験したことはその後の人生で大きく役立つことになる。

西国分寺のクルミドコーヒーで働く石川さん

「“住まう”と“働く”を近くにしたい。住む町で働きたい。町の人と関わりたい」と、退職3日後にカフェ(クルミドコーヒー)のスタッフとして働き始める。同時に地域のイベントに参加して人とのつながりを広げ、企業・学校などの仕事を受注するように。地域ではおなじみ「ののわ」のイベントスタッフやライターを経験するなど町へのネットワークを広げ、東京にしがわ大学のサイト「にしがわカルタ」の「す」(住むまちではたらく)で取り上げられ、にわ大の講師も務めた。

 

現在の仕事 3つの「つくる」

クルミドコーヒーから生まれたクルミド出版で発行している   『そういえば さぁ、』

1「媒体をつくる」ライター・編集者

新聞・雑誌・フリーペーパー・Webサイトなどで取材、執筆、記事広告作成など。フリーになってからのインタビュー数は2017年7月で600人になった。

2「人生をつくる」

専門学校の講師・エディタースクールの講師
カフェの学生スタッフの就活相談をきっかけに専門学校の講師に。就職活動を控えた学生に「限られた時間での伝え方」「情報を取捨選択する判断能力」「相手の心を動かす表現力」を身につける授業をし、エントリーシートを通過させ内定をもらうまでの過程をサポート。またライターを志す大人向けのスクールでも授業を行う。

3「地域で場をつくる」

りまくみ食堂の定食だけど定食じゃない定食(700円~850円)

クルミドコーヒーのスタッフ・コミュニティカフェで1日店主。
西国分寺にあるクルミドコーヒーのスタッフとして月に数回働く。
クルミド出版の冊子「そういえばさぁ」の編集スタッフ。
自分を「町の人」にしてくれた皆さんへの恩返しができたら、まだ出会っていない皆さんと出会えたら、とコミュニティカフェ「カフェといろいろびより」の日替わり店主に参加。月に2回、西国分寺在住22年の主婦・もりくみさんと2人で「りまくみ食堂」をオープン。「定食だけど定食じゃない定食(笑)」を提供する。

 

石川さんの時間の有効利用について

iPadを使ってあれこれ。電車で原稿を書いたりチェックしたり、お風呂でWOWWOWのドラマや映画を観たり。軽量のノートPCがあればiPadは必要ないと思っていましたが便利です。PCが壊れた時も大活躍でした。

 

石川さんにとって働くとは? 仕事をする際に大事にしていることは?

働くとは生きること 「皆でHAPPYになれる」仕事をしたい

「働くことは私が私であることで、だから、働くことは生きることなんです」という石川さん。安定した収入のある会社員からフリーランスになるとリスクが多いように思いますが、会社を辞めたことで得たものの方が大きかったそう。フリーになって一番大きく変わったことは、「自分を見失わないというか、私らしさを大切にするようになった。あとは、仕事をコントロールできるようになったことと、どんなにハードでも毎日が楽しいと思えるようになったこと」。ストレスフリーになって視野が広がったことでタイミング良く必要な時に必要な人と知り合うことができ、その縁が次の仕事へとつながっています。

フリーになった時に意識したことは、目の前に現れる仕事に飛びつかず、次の仕事につながるか互いに良い仕事ができるかを見極めること。まず年間で業務契約できる仕事から始め、その結果、企業・大学・行政の仕事が多くなり、次の仕事を受ける際の信用になっているとのことでした。

これからの仕事について

食堂で開催した地元のミュージシャン“ふたば”の フリーライブ

地域の人とイベントをしたり、仲間の焙煎所「TakaiTOCoffee」とコラボしたり、コミュニティカフェの活動を通じて「皆がHAPPYになることをしていきたい」と石川さん。初のイベントは国分寺出身のアコースティックデュオ“ふたば”のライブ。「ライブの場合、一人でも多くの人に知って頂いてファンを増やしたい。そして、選択肢がたくさんある中で国分寺の食堂まで来てくださった皆さんに楽しんで頂く。人と人が出会うのは奇跡だし、せっかく出会えたのだから続いていけば嬉しいです。ミュージシャンも関わる私たちも、ボランティアではなく仕事として成り立つ形で応援していけたらいいな」とのことで、今後も多摩地域や町の人達とのコラボを通して皆でHAPPYになりたいそうです。
また、「国分寺周辺には大学、高校、専門学校などがたくさんあるので、自分の住む町で(自転車で行けるところで)講師の仕事ができると嬉しい」とのことでした。

 

石川さんのぶんハピごはん 国分寺歴 11年

キムチタケシのキムチ

毎月2回段届けられるたくさんのキムチ

2016年の秋から始めた活動に「にしこくキムチ部」があります。子どもの頃に応援していた野球選手が販売に関わるキムチが美味しく、一人で部活動をスタートしてSNSで発信したところ、私も欲しい!どこで買えるの?と様々な反応があり、皆の分も一緒に注文したことがきっかけで部員がどんどん増え、クックパッドでレシピを掲載するとあっというまにアクセス数が1万PVに。キムチが届く日はご近所さんが次から次へと自宅に受け取りにきて、それをまた人へと渡していくので「にしこくキムチリレー」と呼んでいます。(笑)この活動で地域の新しい友達も増えました。甘辛のキムチはご飯がとまらない美味しさ。
りまくみ食堂でも月に1回提供しています。

取材を終えて

調布のある交流会で理麻さんと出会いました。理麻さんとの出会いがなければ今のぶんハピねっとは生まれていなかったかもしれません。今の自分があるのは、全てが縁だと言っていた理麻さん。今回の取材で常に軸がぶれず、妥協しない真摯な姿勢に仕事への自信とプライドを感じました。「転んでもただでは起きない」という理麻さん。1年後にどんな働き方をしているのか今から楽しみです。

  取材:CHEERS