ほんだ自然農園

無理なく人と生きものが共存し
循環する野菜づくりと暮らしを実践

本多さんの畑にて

国分寺で唯一、自然農を営む「ほんだ自然農園」の代表である本多知明さんをご紹介します。

本多家は、代々植木屋農家さんだったそうです。本多さんが自然農を始められたのは2011年頃からで、1冊の自然農の本を読んだことがきっかけでした。当初はなかなかうまくいかなかった栽培方法も試行錯誤を続け、5年ほど前から徐々に現在の形になっていったそうです。 (2023年現在)。

栽培方法には無農薬、自然農、有機栽培やオーガニックといろいろあります。分け方には所説あるので、一例としてご紹介します。

秋に収穫した野菜を使って収穫祭をした
こともあります(とっても美味しい!)

 

有機栽培とは

基本的に農薬や化学肥料を使用していないのですが、有機質肥料は使用し栽培した野菜のことで、日本では「有機JAS」の認定を受けた生産者のみ「有機栽培」「有機野菜」「オーガニック」という言葉を使うことができます。農薬の使用を認めている場合もあるようです。

無農薬とは

畑全体の様子

公的機関の認定はなく、化学農薬不使用で生物農薬使用のものや一切の農薬不使用のものなど、それらは野菜の総称であって栽培方法ではありません。

自然農とは

こちらも公的機関の認定はありません。一般的に一切の農薬と肥料を使用しない栽培方法のことを指しますが、それぞれ独自の栽培方法を行っているため、自然農と一言で言っても決められた方法がある訳ではないと本多さんがお話ししてくださいました。

鍬と鎌があれば大丈夫!

本多さんの自然農は「耕さない」、「肥料をあげない」、「雑草を抜かない」、「水をあげない」方法で、草や虫と仲良く、自然の力で野菜を育てていらっしゃいます。

畑体験で一番初めに本多さんとお会いした時、鎌と土(と種)があれば自然農は出来るとおっしゃっていました。耕さないことで生き物を殺さないようにし、土を保護することで元気な草が育ち、枯れた草を土に重ねておくことで夏の暑さで乾燥が続いていても草の下は湿っているため、本多さんの畑の土はフワッフワです。

鎌と土があればとおっしゃっていますが、本多さんが自然農に適した土づくりのためにやっていることを伺いました。

土づくりのために植えたクリムゾ ンクローバー

その一つに緑肥というものがあり、主としてマメ科の植物を肥料とするため種を蒔くという方法を行っているということでした。

自然農は手間がかかるのではないかと思ってしまいますが、土づくりができれば農薬や肥料を買ったり撒いたりする必要がなくなります。自然(虫や植物 による) に任せた土づくりができ、土がさらに良くなるという最高に良い循環になります。本多さんが「畑は外から持ち込まず、外へ持ち出さない」とおっしゃっていたのはとても納得できます。

土を乾燥させないよう、刈った草 や藁をかぶせます

 

子どもの頃から動物や昆虫が大好きだった本多さん。国分寺の中でも取り分け自然豊かな場所で育っ たからなのかもしれないとお話ししてくださいました。栽培方法も機械を使ったような工業的な作業ではなく、もともとあるものを生かし、無理のない形で栽培することを考えたそうです。農家さんにとって虫は天敵と考えがちですが、虫を敵にせず、環境を変えず共存できる自然農を選び、始められました。

環境に配慮された本多さんのお宅

 

ご自宅を数年前に立て替えた時も環境に配慮した工務店さんに依頼をされたそうです。山を大事にする考えのもと、素材がゴミにならないよう環境に配慮された家づくりです。お話しをうかがっていると、自然農だけでなく、本多さんの暮らし方そのものが「無理のない形で共存する」という言葉に集約されているような気がします。

暖炉用の薪

 

「したいことをしているだけ」と笑顔でお話ししてくださいましたが、「したいこと」を実現できる力強さを感じます。お話しを伺いながら、自然と共に暮らされている本多さんの周りはそのお人柄を表すようにいつもおだやかでゆっくりとした時間が流れているように感じました。

2023年3月を区切りに畑体験等のイベント企画はお断りし、当分の間は自然農に集中されるとのことでした。

暮らしの中に土と触れ合える時間があることで、種から育てた野菜の香りと味をより身近に感じられ、生きるパワーにつながっています。

そんな機会をくださった本多さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

 

本多智明さん奥様と一緒に

本多さんのぶんハピ 国分寺歴 50年

ありきたりではありますが、緑豊かなところは国分寺の特徴だと思います。
色々な面白いことをしている人が多く、人と人のつながりがあるのは魅力的です。

 

 

ほんだ自然農園さんのお野菜は以下の場所で販売されています。

・直売所(おたかの道沿い。おたカフェ近く)

 

取材:ぶんハピリポーター