国分寺市が運営する近隣の市では数少ない
子どもの発達支援施設
国分寺市立第十小学校の近く、福祉センターの西向かいに「こどもの発達センター つくしんぼ」があります。この施設は、在宅心身障害児を持つ親の会「つくしんぼ」が運営していた国分寺市心身障害児(者)通所訓練室を昭和50年4月1日、市に全面移管することによってスタートした子どもの発達支援施設です。
就学前の子どもを対象とした発達相談や通園教室、親子の遊びの教室(下記の表を参照)、 保育園・幼稚園への訪問支援の運営が主な事業です。教室では、見る聞く活動やリズム運動、体遊び、手遊びなどの遊びを通して子どもの発達を促す取り組みが中心になっています。教室は、全て無料で参加できます。
初めて相談に来る方は、保健センターから紹介されるケースが多く、全体の 約60%ですが 「お子さんの発達で心配なことがあればいつでも気軽に相談していただきたい。」とおっしゃる、園長の前田典人さん。相談内容は「ことばが遅い」「集団で行動するのが難しい」などで、他者とのコミュニケーションがうまくとれなかったお子さんが親子の遊びの教室に通うようになってお子さんや母子関係に良い変化がみられるようになることも多いそうです。
通園教室では園に通う保護者同士の交流の場として「母ちゃん会」や子育てに父親の協力が必要だと、 父親がほぼ月1回居酒屋で開催している「父ちゃん会」があるそうです。「父ちゃん会」には前田さんも発足以来(前田さん自身が父親になる前から)、参加しているとのこと。園の家族支援としては、通園教室のお子さん以外の兄弟のために「兄弟姉妹の会」があり、兄弟姉妹に楽しんでもらえるようにデイキャンプなどのイベントを行っています。さらに卒園児の就学後の居場所づくりとして前園長が運営に携わってきた「国分寺子どもクラブ」があり、現在、実際のスタッフは、近隣の大学生がボランティアで参加しているそうです。
施設は、2階建てで、1階には通園教室用の大きなプレイルームがあり、2階には小プレイルームと個別相談用の部屋があります。プレイルームのとなりにある教材室からはマジックミラー越しに子どもの様子を自由に保護者や専門家が見られるように工夫されていました。スタッフの方々が常に誰かから見られている状況は、スタッフのスキルアップに役立っているようです。
スタッフが、子どもたちのプライバシー保護に気を付けているのはもちろんですが、通園する子どもたちに日頃から気を付けていることを前田さんに伺ったところ、「自己肯定感をもって欲しいので、とにかくスタッフみんなで通ってくる子どもたちたくさん褒めてあげる」ということでした。そのためスタッフは、子どもを叱らなくてもよい環境を整えることにも気を付けているということでした。
「叱らないための環境整備」「たくさん褒めてあげる」ということは、子育て中の母親に共通のアドバイスだと思います。
つくしんぼには、穏やかで初対面でも話しやすい園長の前田さんをはじめ、子どもたちに親身に熱心に取り組むスタッフの方々がいらっしゃいます。取材時も、ちょうどひな祭り準備でスタッフの方々がピアノの練習をしたり、教材を手作りする姿が見られました。
最近、お子さんの発達を心配するお母さんたちが増えているそうです。心配なときは一人で悩まず早めに専門家に相談し、適切な支援を受けることで、親も子も穏やかに生活できるようになるのではと取材を通して思いました。
前田さんのぶんハピ 国分寺歴 約21年
通園してきた子どもたちの笑顔と父ちゃん会
ハッピーと感じるのは、プレイルームに通園してきた子どもたちが僕に満面の笑顔を見せてくれる時です。また、居酒屋で開催する「父ちゃん会」は、お酒が飲めないのですが、毎回楽しく参加しています。私自身の父親としての原点にもなっています。
取材:ぶんハピリポーター
施設情報こどもの発達センター つくしんぼ TEL・FAX:042-323-7912 発達相談予約電話:042-325-0070 住所:国分寺市戸倉3-1-1 開館時間:8:30~17:00(月曜〜金曜) 休館日:土曜、日曜、祝祭日、年末年始 アクセス:国立駅北口より立川バス「戸倉循環・日吉町廻り」 または恋ヶ窪駅より「国立駅行き」バス停「国分寺五小」下車徒歩5分 |
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●チェックポイント *駐車場6台 有り(要予約) *だれでもトイレ有り |