住宅街の中から芸術発信
子どもも大人も身近に楽しむオープンアート空間
武蔵国分寺公園の東側、国分寺崖線の住宅街に2014年4月に完成した銀色のユニークな建物は、児嶋俊郎さんが自邸、チョコレートハウス(国分寺在住の建築家、藤森照信氏※設計)の敷地内に併設したギャラリー「丘の上のATP」(藤森氏設計)です。長年都内で画廊を経営されていた児嶋さんは、「都心の周辺にある文化をとらえると社会全体を見ることができる」とご自分が生まれ育った国分寺に活動の拠点を移されました。日本を代表する洋画家で実祖父の児嶋善三郎さん※は、70年ほど前にこの地にアトリエを構え国分寺の田園風景を多く描かれています。この場所にはかつて、芸術家や美大生が多く住むアパート「丘の上のAPT」があり、そのままギャラリー名にしたそう。「APT」には、Art(芸術)、Perspective(遠近法・展望)Textile(織物)という意味も込められています。
※藤森氏自邸の「たんぽぽハウス」も有名
ギャラリーの内部は、しっくいの壁に児嶋善三郎氏の風景画はもちろん、ヴィンテージの布などがさりげなく飾られています。木のテーブルと椅子のスペースもあり、ゆっくり作品を鑑賞できる落ちついた空間です。
「有名な芸術家の展示会だからという理由で鑑賞するのではなく、先入観にとらわれずに自分の目で、自分の好きな芸術をここで見つけてもらえれば」と児嶋さん。
また「アートは『作る』と『見る』の体験が必要。有名な芸術家の個性に触れるだけでなく、みんなで作ったものを『一緒に展示』することで芸術を感じることも大切」と力説する児嶋さん。今後は、地域のイベントなどと連動したワークショップや国分寺在住の芸術家を講師に招き、教室のように一方的に教えられる場ではなく子ども達と自由なアート体験の場を作ったり、子ども達の作品を展示するなど自ら動き出すアートの拠点にしたいそうです。児嶋さんの頭の中はこれからの展示企画のアイデアがたくさんあり、お話を伺う合間にも次々とアイデアが溢れ出てくる感じでした。
また児嶋さんは、「丘の上APT」を、子育てしながら自然やアートを楽しめる場、訪ねてきた人が展示を見ながらおしゃべりしていくような気軽な場所にもしたいともおっしゃっていました。
実は一番力を入れていると笑顔でお話しされていたお庭も必見です。取材時は、季節のお花が彩り鮮やかに咲いていてとても素敵なお庭でした。
児嶋さんのぶんハピ 国分寺歴約60年以上
薬師堂付近の朝の散歩
武蔵国分寺公園南側にある薬師堂付近の道などを、毎朝犬を連れて一輪車に乗って散歩しています。近所の方々には有名です。先日見学に来た四小の子に「一輪車のおじさんだ」と言われました。
取材:ぶんハピリポーター
施設情報丘の上 APT(エーピーティー) Tel: 042-207-7918(FAX兼用) 住所:〒185-0024 国分寺市泉町1-5-16 開館時間:12:00~18:00 アクセス:国分寺駅南口より徒歩10分 定休日:月曜日、祝日 年末年始およびお盆の時期の休みは未定 |
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●チェックポイント建物内は土足禁止です。ベビーカーは入り口外に置けます。駐車場はありませんが、近くにコインパーキングがあります。 |