お庭の花が美しい「なかよし文庫」の入口
お庭の花を眺めながら文庫の入口の引き戸を開けると、吹き抜けの広いお部屋に絵本がいっぱい並んだ本棚が目に入ってきます。お部屋の上部には、大きな木の下で絵本の読み聞かせをする子どもと、それを楽しんでいる動物たちの絵が飾られ、その絵が「なかよし文庫」の雰囲気を伝えてくれています。
「なかよし文庫」を主宰している山崎翠(やまざき みどり)さんは、長年、国内の色々な講演会や著書で、子育てに絵本が大切であることを伝えていらっしゃる方です。
「文庫をはじめた当初は、地域に異年齢の子ども達が一緒に遊べる場所が必要で、そこに本があると良いと思っていました。今では、すべての子どもが“生きていることはすばらしい”と感じられる社会、人々が“喜びを持って生きている”社会にしたいと、“いのち・平和”にこだわって文庫を続けています。」とおっしゃる主宰の山崎さん。
文庫内に飾られた、子どもと一緒にお話を楽しむ動物たちの絵
文庫活動の3本柱は、
①子どもたちに良質な本の貸出
②絵本の読み語り
本の文字を読んで聞かせるだけでなく、読み手の思いを語りかけるという点で、『聞かせ』ではなく『語り』にこだわっています。
③お母さんたちの交流と、異年齢の子どもたちの交流、だそうです。
「乳幼児期に、親や家族が『あなたが生まれてきてくれて嬉しい』という気持ちをしっかり伝えることが大切です。絵本を読むことで、気持ちを伝えることができます。絵本を読む時は言葉が優しくなり、それが子どもには心地良いのです。」とのこと。
また、日本中のお母さんに「言葉を大切にする家庭は、人を大切にしていること。」を知ってほしいともおっしゃっていました。
育てに絵本の大切さを伝える山崎さんの著書
午後2時、赤ちゃんをだっこしたお母さんが次々に文庫を訪れ、赤ちゃん達はカーペットの上でゴロンとなり、お母さんたちの会話がはじまります。山崎さんに赤ちゃんの月齢にあった本の選び方、読み方を教えてもらっている方もいました。
2時30分、小学生が学校から直接来ます。3時まで2階の部屋で宿題をするそうです。
3時に読み語りが始まりました。取材した日の最後には、小学生がみんなの前で新聞の4コマ漫画を声色たっぷりに楽しく読んでくれました。聴いている子どもたちは、それぞれの心地よい体勢で座り、お話に引き込まれていました。
読み語り終了後に、幼稚園児や小学生が前に借りた本を返し、別の本を借りて行きました。
山崎さんが読む本に興味津々の赤ちゃん
読み語りに参加させていただいて、童心に帰って絵本の世界を楽しむことができました。また、優しい語りかけで、心の中が温かいもので満たされました。言葉の持つ力を知ったので、これからは、誰に対してもきちんとした綺麗な日本語を使うようにしたいと思いました。
取材:ぶんハピリポーター
山崎さんのぶんハピ 国分寺歴30年以上
山崎翠さん
豊かな自然環境と社会教育が充実していること
国分寺は農業のある都市です。雑木林や野川がある自然環境に魅せられて、約50年前に今の「なかよし文庫」のある土地を購入しました。また、国分寺は公民館活動があり、社会教育が盛んに行われているのが良いですね。現在の学校教育は「覚えること」が多いので、社会に出てから仲間と共に「考えること」を学ぶ場として、公民館活動が大切だと思います。
子連れのぶんハピポイント
子どもの月齢や年齢にあった本の選び方、読み方を教えてもらえます。
子育ての情報交換、先輩ママのアドバイスも得られます。
*文庫を利用する方へ*
お世話係の大人が交代でけがの無いように見守っていますが、「なかよし文庫」として保険には入っていません。今までに大きな事故は無いそうですが、「なかよし文庫」内でのケガも家との往復のケガも保護者の責任となります。
お子さんに、十分な注意喚起をお願いします。
施設情報
なかよし文庫
TEL:042-322-1961
住所:西元町2−15−5
国分寺市立第四小学校や白鳥幼稚園の近く
開催日時:2012年10月までは毎週水曜14:00〜15:00(0歳〜2歳)
15:00~16:30(夏は17:00まで、3歳以上)
※2012年11月より第1・第3水曜のみに変更
*夏休み・冬休み・春休み期間はお休み
利用方法:入会申込書に住所・氏名等の必要事項を記入し「なかよしカード」
(借りた本を記入するカード)を発行してもらえば、誰でも無料で利用できます。
1回に2冊借りられます。次回「なかよし文庫」に来た時に返却。 |
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●チェックポイント
*ベビーカーは建物の外に置く |