「小さい子どもを育てる人のための本の時間」 

子育て中でも大人の時間を大事にしたい
子どもと離れて本とふれあう時間を提供

図書館内でママたちが目印につける手作りロゼットと案内チラシ

国分寺市の本多図書館と光図書館では、同建物内公民館の保育室で保育スタッフが託児をしている間の約一時間、保護者の方が図書館内で自由な時間を過ごすことができる機会を提供する事業『小さい子どもを育てる人のための本の時間』を行っています。なんと、利用料は、無料。

子育て中は、落ち着いて自分の好きな本を読む機会がない方がほとんど。でも、自分の世界も大切にしたい。そんな方たちにとって嬉しいこのサービスを、図書館と協働して行っている「ははがよむ」代表の青木知子さんにお話しを伺いました。

青木さんがご自身の子育て中に、自分のために本を読む時間がなく、つらい思いをした経験がこの活動のきっかけになりました。子どもがそばにいるのに、その傍らで本を読んでいることに罪悪感を感じていたこともあったそう。そんな中、他の地域で託児サービスがある図書館を発見した青木さん。国分寺の図書館でも実現できないか、問い合わせをしてみたが、その想いが実現しないまま、お子さんは大きくなってしまったそうです。子育て中にできなかった悔しい思いを同じ幼稚園に通うお母さんたちに相談したところ、背中を押してくれる仲間が集まり、2016年4月に「ははがよむ」を立ちあげて活動が始まりました。

「ははがよむ」の活動を伝えるロゴマーク

「2016年5月、武蔵国分寺公園での絵本の読み聞かせイベントを皮切りに、公民館の和室を利用した託児サービス『おかあさん、ちょっと本読んできていいよ』という活動を2017年にスタート。2019年度は図書館との協働事業として市の予算を得て託児サービス『小さい子どもを育てる人のための本の時間』を実現できました」と青木さん。

さらに、大人同士で話をする時間も大事にしたいという想いから、『小さい子どもを育てる人のための本の時間』同時開催で、公民館の和室にて、子育てや本のことを通して情報交換や交流できる場『とんとんとん』を設けているとのことでした。

こちらも参加は無料で、事前申し込み不要。開催中は自由に出入りできるそうです。

本とおしゃべり とんとんとん」読み聞かせの様子

「ははがよむ」の活動は、子育て中でも自分の時間を持つ大切さについて考える場を持ったり、イベントで大人や子どものための読み聞かせをしたりすることもある、とのこと。「昨年の春は地域福祉協議会からご用命があり、本町南町八幡神社の桜の木の下で、わらべうたを楽しむ場づくりをしたり、さまざまな場所で内容に合わせた絵本を読むなどをしました。本を介していろいろな企画をやってきたので、気軽にお声をかけていただければ」とのことでした。

「活動を通して図書館の託児サービスのニーズが高いということが分かったので、今後は、市内外問わずもっとこのサービスが広まってくれれば嬉しい」と、発足時と変わらぬ想いを語ってくださいました。また、今後は図書館との協働事業以外にもイベントを企画したり、参加していきたいとのことでした。

子ども達が過ごす本多公民館保育室

「お母さんだけではなく、お父さんや祖父母の方も含めすべての子育て中の方にこのサービスを利用してほしいと思っています。図書館内で本を読むのもよし、本の背表紙を眺めるのでもよし。自分のことを考えたり、知りたいことを調べたりすることもできます。リフレッシュしたい全ての人に自由に利用してほしいです」と青木さん。

私の息子が1歳の時、『おかあさん、ちょっと本読んできていいよ』を利用したことがありました。静かな雰囲気の中で、本に囲まれながらゆっくりと自分のための時間を過ごせることが、こんなにも幸せなのかと感動したのを今でも覚えています。コロナ禍のこんな時期だからこそ、多くの方がその感動を味わっていただけたらな、と思います。

 

青木さんのぶんハピ 国分寺歴 16年

姿見の池や武蔵国分寺史跡など緑地公園

バードウォッチングが好きで、双眼鏡を手に緑の中を歩くとリフレッシュできます。思いのほか、たくさんの種類の野鳥がいるんですよ。国分寺は緑が身近なので、深呼吸できる場所がたくさんあって嬉しいです。コロナでの自粛期間中も、お散歩をしてとても癒されました。

コロナの影響で、2021年3月まで予定していた「小さい子どもを育てる人のための本の時間」は中止となりました。記事については、2020年12月取材時点の内容となりますことをご了承下さい。下記は、代表の青木さんからのメッセージです。

「緊急事態宣言とその延長により、市との協働事業の開催は1月から3月まで中止となってしまいました。新型コロナウイルスの感染拡大で、今年度楽しみにしていた事業が半分もできなかったことはとても残念です。

出かけられる場所が減り、人との関わりも減らさざるを得ない、小さいお子さんとその保護者のみなさんも、窮屈で不安な日々を過ごされていることと思います。

今後も、本や絵本を介して充実した「自分のための時間」を過ごせるような企画を模索していきますので、ぜひFBやブログなどをチェックしてみてください♪」

ははがよむ https://ja-jp.facebook.com/hahagayomu/

ははがよむ ブログ https://aotomo8846.hatenablog.com/

 

 

取材:ぶんハピリポーター