国分寺の防災〜避難編〜

防災シリーズ 第3回のテーマは、避難です。

市内に立てられた避難場所の案内看板

避難について

避難と聞くとまずは避難所へとイメージされると思いますが、災害を受けた被害状況によって避難する場所が変わります。自宅に居て地震が起きた場合、まずは、家の近くにある公園など地区災害待避所へ避難。その後、危険度の大小によって地区防災センターへ更に避難し、家の災害状況によって自宅へ戻り在宅避難、または避難所で避難生活をする場合に分かれます。自宅のある地域で指定された避難所があるので調べておくと良いですね。外出時は、外出先の駅周辺の避難施設なども確認しておくとさらに安心です。

また、家族間で連絡方法や待ち合わせる場所などを事前に話し合っておくこともお勧めします。

市内の避難場所・避難所はこちらを参照ください。

※地区防災センターとは、避難場所、避難所、医療救護所、物資配布場所、情報伝達場所の機能を備えた地域の拠点のこと。市立小中学校、都立国分寺高校と東京経済大学が指定されている。

※避難場所は、災害時に安全を確保するために一時的に避難する場所で、各学校のグラウンドを指す。

※避難所は家屋などが被災した市民を一時的に受入保護する場所で、各学校の体育館と教室の一部を指す。

以下、災害が起きた際の大まかな流れです。

【避難の流れ】参考:国分寺市公式ホームページより

※要配慮者とは、高齢者、障がい者、乳幼児のことを指す。要配慮者の移動は、NPO法人国分寺ハンディキャップ運営委員会と国分寺市が提携している協定に基づいて移動手段を確保しています。

コロナ禍における避難の流れはこちらを参考にしてください。

国分寺市ではペットと共に避難はできますが、避難所内では別々になるそうです。また、ペットフードや猫のトイレ用品などは持参が必要です。環境省発行のパンフレット「ペットも守ろう!防災対策」を参照ください。

避難所に収容しきれない避難者への対応について市の防災課に伺ったところ、地区防災センター以外の公共施設を順次避難所として開放したり、近隣の自治体と連携して他市の避難所を利用可能にするなどの対応を行うとのことでした。また、小学校のグランド内に車中避難やテントを張れるスペースを確保しているそうです。

なお市内の公園は、他市からの応援、自衛隊の救援などで駆けつけた方の宿泊場所として考えられているため勝手にテントを張るのはNGです。

 

在宅避難

ライフラインが断たれたとしてもなんとか自宅で過ごせるのであれば、普段の生活場所で過ごせてプライベートが保たれる在宅避難をする方も多いと思います。ただ、心配なのは、支援物資や給水などの情報ですよね。これについても防災課で聞いてみました。

【情報の入手方法】

在宅避難者が情報入手する方法(給水車/支援物資のお知らせなど)

1)直接、近くの地区防災センターとなる小・中学校・国分寺高校・東経大、または地区本部にて入手。

2)防災無線の放送から入手。

3)国分寺市防災・防災ツイッターから入手。

4)FMたちかわ(4MHzから入手。

FMたちかわは、国分寺市と防災協定を締結しているのでラジオから情報を入手できます。

※FMたちかわは、国分寺市以外に立川市、昭島市、武蔵村山市、国立市、東大和市とも防災協定を締結しています。住んでいる場所によっては受信状況が悪いところもあるようです。カーラジオだと受信状況が良いとのことでした。

 

自治会について

市内では自治会のないところも多くなり、現在では自治会への加入世帯は全体の40%前後だそうです。(国分寺社会福祉協会資料より)

自治会などの防災会に加入している世帯は、自治会を通して情報や支援物資を受け取ることができますが、加入していない場合は、個人で近くの地区防災センター行くことになります。そのため災害時の備えとして自治会や町内会を新たに作っているところもあるようです。

自治会を作るのに必要な手続きは、特に決められた方法はなく地域の市民団体として申請をして作ることができます。詳しくは協働コミュニティ課のこちらへ。

自宅近くに自治会や町内会がある場合は、そちらに加入できます。近くの自治会の有無は、マップで探せます。自治会マップはこちらへ。

国分寺市の2022年2月1日現在の人口は、12万7769名、世帯にすると6万2967世帯です。東京都が平成24年4月に公表した被害想定によると市内の約58000人が避難行動をとり、避難所にくる市民は、38000人と想定されています。市内にある地区防災センターの避難所での受け入れ可能人数は、約18000人(3.3平方メートルに2人で算出。コロナ禍では4平方メートルに1人のため約7,500人)で避難希望者を全て受け入れるのはほぼ不可能な状況です。(参考:東京都のHP、国分寺市のHP)

そこで、避難の前にまず「普段の生活でできる備え」をまとめてみました。

 

避難の前に

【普段の生活でできること】

1)自宅内の防災:家具の固定・窓ガラスの飛散防止フィルム・キャビネットストッパー・ラジオ

2)外出時に持参したいもの:歩きやすい靴・大判ストール・リュックサック・保険証・お薬手帳・免許証・マタニティマーク・母子手帳・水筒・おやつ

3)寝室での防災

・頭の上から重たいもの等がおちてこないところで寝る。

・寝ているそばに避難用の靴を置く。

・めがねや携帯、杖、懐中電灯などは枕元に置く。

・寝室には割れにくい素材の小物を置く。

 

【災害時や避難に役立つアイテム】

・ライフライン
携帯充電器(手動や太陽光などで充電可能な物)・浄水ポット・カセットコンロ・冷感タオル・懐中電灯・ヘッドライト・テント・寝袋・大判のビニールシート

・トイレなど衛生用品

使い携帯用トイレ・消臭袋・消臭スプレー・アロマオイル・凝固剤・黒いビニール袋

・身分証明書・筆記具・メモ帳・家族の写真

・情報 市内のハザードマップ・ラジオ

・その他

大判のハンカチ・レジ袋・段ボール・新聞紙・防犯ブザーや笛・テント・寝袋・大判のビニールシート

 

【備蓄品】

備える⇄消費する⇄買い足す

普段使用している物を消費しながら備蓄するローリングストックがおすすめ。

1)食品・飲料

・3日分の食糧を目安に1週間分以上を見越して備える。

・食べ慣れた物、好きなおやつや飲み物も少し多めに買ってストックする。

2)生活用品

ラップ、ポリ袋、ゴミ袋(黒色もあると便利)などは避難所でも何通りにも使えるので便利。

3)衛生用品

トイレットペーパー・ティッシュペーパー・キッチンペーパー・ウェットティッシュ・石鹸・消毒スプレー・マスク・パンティライナー・生理用品、紙おむつなど

4)その他 ろうそく・電池・チャッカマン・ガスボンベ・ペットの餌など

以上、災害時の避難についての情報をお届けしました。災害というのはいつ起こるかがわからないのが最大の問題です。いつ起こっても慌てないように年に数回、レジャー感覚でガスや電気を一切使わずに備蓄品だけで過ごす日を作ってみるのも良いかもしれませんね。自治会については、今回の特集で改めて必要性を感じました。私の地域も自治会がなくなってしまったので、この機会に自治会について近隣の方たちと考えたいと思いました。

参考:国分寺市公式ホームページ、国分寺社会福祉協議会ホームページ、東京都ホームページ、東京都発行の冊子『東京くらし防災』

 

  • 東京都が発行する冊子『東京くらし防災』 普段の心構えなど女性目線で分かりやすくまとめられています。
  • 東京FMの『防災NAVI』サイト 都内の災害に関する必要な情報がまとまっています。

 

取材:CHEERS