訪問介護 ことり

「老いること」は「生きること」
介護が必要な人も家族も羽をのばせるお手伝い

「ことり」の文字が目を引き、思わず立ち止まって、中を覗きたくなるような外観

「ことり」の文字が目を引き、思わず立ち止まって、中を覗きたくなるような外観

ユニークな外観に「ここは何のお店?ペットショップ?」と気にかかっていた方もいるのではないでしょうか?そんな「訪問介護ことり」の事業所に伺ってお話しを聞いてきました。

介護の仕事を始めるまでは渋谷の映画館で働いていた代表の齋藤弘典さん。齋藤さんが介護の仕事に興味をもったきっかけは、友人から老人の孤独死の話を聞いたことでした。それは、何か地域で出来ることがないかと趣味でバードハウス作り始めた頃だったそうです。

バードハウスを公園で作っていると、行き交うおじいちゃんたちが話しかけてきて、作り方のコツを教えてくれたそう。そんな楽しい交わりの中で人付き合いの大切さを改めて感じていた時、東日本大震災が起きました。いろいろなことが重なり、齋藤さんはヘルパーを目指すことに。

あるおたカフェのテラスから見ることが出来る斎藤さん作のバードハウス

あるおたカフェのテラスから見ることが出来る斎藤さん作のバードハウス

『ことり』のスタッフでもある妻の英里さんは、母親が亡くなった時に「何事にも積極的に取り組む前向きだった母が、病気を患って今まで通りのことができなくなったことで親戚や周りの対応が変わった。母の人生を取り上げてしまったような様子を間近で見ていてこれで良いとは思えなかった」という経験を
持ち、人の最後に関わる仕事に就きたいという思いを持っていたそうです。

英里さんの前職は、西国分寺にある『クルミドコーヒー』のスタッフ。齋藤さんと出会ったことで母親との体験を思い出し、老いて介護が必要になっても最後まで自分の人生を歩いていると思えるようなお手伝いをしたいと、英里さんもヘルパーの資格を取得したそうです。

そうして、実際に介護を必要としている方もそうでない方も地域で老いることを自然に受け入れられるきっかけになりたいと、介護事業所『ことり』が、平成27年6月1日にスタートしました。

斎藤さんオススメの『ある小さなスズメの記録』手放した後に利用者さんの本棚からプレゼントされた不思議な縁もある本

気になる『ことり』の名の由来は、齋藤さんが13年前に飼い始めたセキセイインコが可愛くて小鳥好きになった為、命名したそう。事業所の看板の絵はもちろん、事業所内にもバードハウスや鳥の置物があちらこちらに飾ってあります。

ちなみに、法人名は『(株)羽をのばす』。訪問している最中は、利用者であるおじいさん・おばあさんはもちろん、普段介護をしているご家族も羽をのばせるように。そんな思いから名付けたそうですが、ことり好きの齋藤さんのユーモアと気持ちのこもった名前です。

「地産地消」を人に例えて言うなら「地産地死」。その人が生まれたところで死ぬ、住み慣れた地域で最期を迎える、そんなお手伝いをしたいと齋藤さん。

「訪問介護」と聞くと、介護が必要とされる麻痺、認知症などと結びついて、明るいイメージが浮かびにくいですが、『ことり』の齋藤さんご夫妻は人が歳をとっていくことは、その人の歴史があり、いろいろな経験もあるので素晴らしいことだと仕事を通して実感されているそうです。

実際に訪問する先で、人生の先輩としてたくさんの気づきをもらっているそうです。以前、訪問先のピアノの弾き語りが趣味というおばあちゃんから「何か楽器が出来る?」と聞かれた齋藤さん。ギターを弾きたかったけれどあきらめてしまったと話すと「やりたいことはいくつになっても初めていいのよ」とおばあちゃんに背中を押され、ギターを練習し、弾けるようになったとのこと。

その後、2人で同じ曲を練習し、演奏して喜ばれたというエピソードからもそのことを垣間見ることが出来ます。 また、別のお宅でバースデーにサプライズでギターを弾いてお祝いしたこともあるとか。

老いることは、介護されること・人の手を借りることというイメージが先行しがちだけど、その前に、人が生きる過程であるということを忘れたくない。自分の人生を自分らしく生きるということもその中に含まれているはず。そして、お二人は、介護の仕事をマイナスなことととらえず、前向きなプラスのイメージに変えていきたいということでした。

地域の関わりとして、地元の東元町商店会のお祭りでは(鳥好きなのに!)焼き鳥屋さん、万葉花まつりでは射的屋さん、ぶんぶんウォークではバードハウスワークショップを開くなど齋藤さんは地域のイベントにも積極的に参加されています。また、事業所を地域で活動しているグループに会議スペースなどでつかってもらうなど地域に開いた事業所にして行けたらとのことでした。

お二人のお話しを聞きながら、ここは老若男女が気軽に立ち寄れる路地裏のたまり場、きっとそんな場所になるはずだと確信しました。

訪問介護ことりには他にも色々な魅力があります。スタッフブログ(http://ameblo.jp/bunjihappy/entry-12172292144.html)でも紹介しています。

 

斉藤さんのぶんハピ 国分寺歴約13年

事業所の中にある大きなバードハウスから・・・斎藤弘典さんと英里さんご夫妻

事業所の中にある大きなバードハウスから・・・斎藤弘典さんと英里さんご夫妻

おたカフェ & ライトハウス &

 ねじまき雲で過ごす時間

おたカフェには外にテラスがあるので、自然の中でビールが飲めてハッピー。ライトハウスは、美味しい季節の野菜の天ぷらうどん、ここもやっぱりビールが飲めてハッピー。ねじまき雲では、夕方に店主が淹れるコーヒーをゆっくり飲める贅沢なひと時が過ごせる。どれも僕にとってハッピーな大事な時間です。

英里さんのぶんハピ 国分寺歴約 1年

クルミドコーヒー&大きな木の茂るところ

クルミドコーヒーには大好きな仲間たちがいます。なかなか遊びに行けていないのですが、みんなが笑顔でがんばっている!と思うと、元気が出てきます。それから、国分寺には大きな木が茂っている場所がたくさんあるので心地いいです。気分転換をしたい時に木の下に立って深呼吸をするとスッキリします。

取材:ぶんハピリポーター

勝井さん

施設情報

訪問介護ことり

TEL:042-316-8547

住所:国分寺市東元町2-18-16 吉野ビル101

http://kotori-kaigo.blogspot.jp/?m=1