並木公民館 「幼い子のいる親のための教室」

親子が離れて過ごす2時間
子どもと自分を見つめ直す貴重な教室

日当たりがよく明るい保育室内

並木公民館の井上さんにお話を伺いました。

 

Q1.講座の特色

育児や自分、家族、将来の事などを立ち止まって考える時間を持つこと、地域で子育てを互いに支えあう仲間づくりをすることを目標にしています。

講師の話を聞きながらも、まず参加者同士の意見、思いを出し合うことを大切にしています。

 

Q2.講座の内容・進め方

形を変えることができる遊具、今日は滑り台

子育ての時期ゆえに迷うこと、悩むことを参加者全員で出し合いテーマを決めて話し合う形式で進めます。1日を振り返るシートを使用したり、「子ども3分観察 (*)」や感想文を宿題にし、物事を客観視し意見交換しやすくなるような工夫をしています。

今年度の特徴は、講座の冒頭でアイスブレークとしてこの1週間におきた「私のとっておき」を話しています。そこから話が展開することもあります。

*「子ども3分観察」とは、子どもをとにかく3分間じっくり見てみること。何か変化を期待するわけではないが、子どもの行動、目線の先などに集中していると新しい発見がある。

 

Q3.保育室について

保育室の出入り口、保育者が子ども達をここで迎えてくれます

保育室45.34㎡。室内には滑り台や積み木、ブロックやままごとセット、壁に貼れるマグネットなどがあり、各々がおもちゃを選び楽しんでいます。

保育中に泣き止まないお子さんには、保育オリエンテーションで聞いたことや連絡帳でのお子さんの様子に応じ、保育者が対応します。だっこやおんぶ、興味を引きそうなおもちゃや絵本をつかったり、童謡、手遊びなどを通して働きかけます。

 

保育室の水道とトイレは、子ども用に小さく作られています

Q4.教室後の自主グループ活動について

例年保育室グループとして活動を続けていることが多いです。保育室を利用することはもちろん、保育のない日でも集まり交流を深めている様子です。

 

参加希望者へのメッセージ

特に乳幼児を育てている時期は、子どもが最優先になりがちです。親として一生懸命子どもと接することは大事ですが、息切れを起こすこともあるでしょう。子どもと離れて物事を落ち着いて考え、大人である参加者同士で話し合う2時間。それが自分を見つめなおすことに繋がり、子どもと向き合うときの悩みや迷いに対して自分なりの方向性を見つけ出す助けになるのではないでしょうか。またそこでできた大人同士、子ども同士の関係が、今だけでなく将来にわたり、とても心強い存在であり、大切なものになると感じています。

 

リポーターの感想

実はリポーターも幼い子の教室へ参加し、その後も自主グループとして活動しておりました。一瞬で良いから子どもと離れたいという不純!?な参加動機でしたが、ゆっくり自分と向き合い、母子共に仲間を作ることができ、地域活動を始めるきっかけを頂いた事にとても感謝しています。そして今回、お話を伺った井上さんも一緒に講座に参加し、グループ活動していた仲間です。参加者の気持ちに寄り添った心配り、経験者だからこその教室作りだと感じました。

 

取材:ぶんハピリポーター
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光公民館 「幼い子のいる親のための教室」

ママたちの「ほしい、やりたい」を形にし
地域で支え合う仲間との出会いを生む教室

光公民館の米光雪美さんにお話しを伺いました。

 

広々として明るい保育室

Q1.講座の特色

「昨年のテーマは、『地域で育つ親と子の暮らし』。地域で子育てを支え合える仲間づくりが目標です。世田谷区で子育て支援のNPOの理事長も務める、石山恭子さんを講師に招き、座学だけではなくワークショップやフィールドワークも体験しました」

 

Q2.講座の内容・進め方

子どもたちに大人気のすべりだい

「子どもの発達についてのお話しを 聞いたり、自分を知るためのワークショップやセルフケアとしてのヨガなども行いました。また、保育室がお休みの時期には、チームに分かれて仲間同士で預け合いをして、それぞれが1時間ずつ応急救護や災害時のアウトドア知識を身に付ける講座を受けました。この預け合い体験を機に、別のときにも預けあいができる関係が築かれたようです。

その他には、お母さんたちがほしい子育てに役立つマップを、フィールドワークを通して作りました。できたマップは配布もされ、こうした成果物ができるということが、やり遂げた喜びや自信につながっていると思います。みなさん、アイデアが豊富で、『子どもと動くことが増えてくると、電動自転車について知りたい』というニーズから、公園で乗り比べをしたり、いつごろ買うといいのかなどを調べてまとめることもしました」

 

絵本や電車、おままごとセットなどが見やすく揃えられています

Q3.保育室について

すべり台や井形ブロック、電車やままごとセットなどがあります。

講座の初めには保育室の進め方や保育のしかたなどについて、保育者からの説明があります。

 

Q4.教室後の自主グループ活動について

絵本や電車、おままごとセットなどが見やすく揃えられています

「いつくかの自主グループがあり、みなさん仲良く活動されています。公民館まつりでも『貢献できることをしたい』と、保育室でのポップコーンつくりや、自分たちの子どもが来たドレスや衣装を集め、背景も用意しての“ハロウィン撮影会”など、楽しく参加してくれました。『幼い子のいる親のための教室』での1年間で築かれるつながりは後々までつづいているようで、お父さんたちも一緒に集まったりと、とても楽しそうです」

 

参加希望者へのメッセージ

「15回連続の講座なんて続けられるのか、と心配な方も多いと思います。『生んだばかりの子と離れてよいものか?』、『保育室に預けてよいのか?』 みなさん、同じ思いで申し込んでいらっしゃいます。

講座は一回2時間ですが、子どもと離れる解放感、講師や仲間の話を聞き、語り合うことで自分を見つめることができます。辛いことは一人で抱え込まず相談にのってもらうことができ、嬉しいことは何倍もの喜びになります。かけがえのない仲間ができると思います。是非、近くの公民館へいらしてください」

 

リポーターの感想

お話の端々から、お母さんたちと米光さんら公民館の担当の方々との温かな信頼関係を感じました。現在の講座メンバーも自主グループのメンバーも、アイデアが豊富で楽しそうなのは、「なによりも、お母さんたちが元気になること。すべてはそこからです」という米光さんたちの想いが届いているからこそなのだな、と感じました。

 

取材:ぶんハピリポーター


もとまち公民館 「幼い子のいる親のための教室」

自分らしさを大切にしながら
子どもと一緒に育ちを楽しむ温かな時間

もとまち公民館の南波素子さんにお話しを伺いました。

 

Q1.講座の特色

子どもの目にも楽しそうな、保育室入り口の看板

「もとまち公民館では、今期は早稲田大学の竹内麻子さんを講師に招き、『子どもを育て、自分を育てる』と題して『親の感情・子どもの感情』、『レジリエンス ※』、『(大人のための)絵本セラピー』など、親と子の心を理解し、様々な角度から子育て中の思いを考え、共有する時間を過ごしています。

自分らしさを大切にし、仲間と共に力づけ合いながら成長することで、心の余裕を取り戻して自立していくことを学べる、温かな場です」

※レジリエンス 困難や逆境に直面、経験した時に、一時的に落ち込んでもしなやかに回復し、糧として成長していく力のこと。

 

Q2.講座の内容・進め方

子どもたちは、自分のマークの場所にくつを入れます

「教室では、はじめに『自分が呼ばれたい名前』を名札に書き、その名前で呼び合うことで距離を縮めました。毎回初めに、『この1週間で一番印象に残ったこと』、『参加するにあたって、今の気持ち』などを一言ずつ話します。毎回講座の終わりには振り返りシートを書いて、次回その内容を共有しますが、他の人の感想や考えを知ることができ、とてもよいものですよ。

話し合うテーマについては、参加者の興味や話し合ってみたいことも初回に聞き取り、取り入れながら進めています」

 

Q3.保育室について

きれいに分類されたおもちゃコーナー

「ベビージムやおままごとセット、電車など、いろいろなおもちゃがあります。すべり台のような大型の遊具がないので、年齢の小さい乳児たちがいる中で大きな子が走り回ることもあるため、配置には工夫を凝らしています。ベビーベッドは2つあります。

はじめは一人で遊ぶ子、保育者と一対一で遊ぶ子などが多いですが、回数を重ねるうちに、

他の子の遊びの真似をすることから始まり、子ども同士関わり合いながら、集団で遊ぶようになっていきます。 泣き止まない子は抱っこしたりおんぶしたりしていますが、泣き止まない子はほとんどいません」

 

Q4.教室後の自主グループ活動について

子どもたちにも大人気の、海のコーナー

「毎年、教室終了後に自主グループが生まれています。保育室を利用しながら、みなさん自由に活動しています。現在継続しているのは2グループですが、(お子さんが大きくなったため)保育室はもう利用していないけれど活動を続けているグループも4グループほどあります。5年以上、10年以上と長く続いているというものもあるんですよ」

 

参加希望者へのメッセージ

「かけがえのないわが子を育てる喜びを感じる一方、自信を失くしてしまう日もあります。完璧な親なんていません。『子どもと一緒に育ちを楽しむ』。そんな関係づくりを考えてみませんか」

 

リポーターの感想

子どもたちへの優しさと共に、小さい子どもを持つ親への温かな眼差しを感じました。リポーターの経験を振り返っても、いつも一緒にいる子どもにだけ注意と関心が向けられる中、自分の心と向き合う機会はとても貴重で嬉しいものでした。子どもと一緒に自分も育っていく。そんなふうに考えると、子育ての時間がより豊かで明るいものになるのかもしれない、と思いました。

 

取材:ぶんハピリポーター